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(K0790) 優しくするってどういうこと? <臨死期><親しい人の死>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/06/k0790.html
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第1回 1日放送/ 3日再放送
タイトル: 原点は「戦争」にあり--『地には平和を』
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
【テキストの項目】
(1) SF作家、小松左京の誕生(2) 書かなければならない小説
【展開】
(1) SF作家、小松左京の誕生
小松左京は、1931年に生まれました。1923年の関東大震災に遭った母から、子どもの頃の小松は被災の体系談を聞かされて育ったそうです。千葉の網元だった父の実家も大震災で大きな被害を受けたといいます。
四つ年上の兄が買ってもらっていた『少年倶楽部』『子供の科学』を、小松も三、四歳の頃から一緒に読んでいたそうてす。中学二年生の時、図書委員を務め、図書館に揃っていた新潮社の『世界文学全集』を繙きました。後に「私の文学観を決めた」とまでいわしめたのが、全集第一巻に収められていたダンテ・アリギエールの長編叙事詩『神曲』でした。太平洋戦争が開戦し、入学先の兵庫県立第一中では、空襲と軍事教練に明け暮れる日々を過ごしました。軍事訓練の教官や担任の教官による理不尽な暴力、罵倒に対する怒りを、この時期のことを述べる時に小松は露出しています。
そして終戦。14歳の小松には「解放感も喜びもすぐにはわいてこず、気だるい虚脱感だけが残った」(『自伝』)。この感覚はやがてアブレゲール(戦後派)特有のニヒリズムに通じていきます。
(2) 書かなければならない小説
『地には平和を』ではもし1945年8月15日に、一部の陸軍将校と近衛師団参謀が起こしたクーデターが未遂に終わらず、成功してしまっていたら・・・という反実仮想の状況が描かれています。
『戦争はなかった』では、大東亜戦争の記憶、太平洋戦争の記録が跡形もなく消えてしまった世界に、主人公がある日突然投げ込まれます。『地には平和を』では誤った歴史が非現実として除斥の対象となりますが、『戦争はなかった』では正しい歴史が非現実として排除されてしまう。筋立ては正反対ですが、テーマは通底しています。戦後の現実に対する深い懐疑です。
<出典>
宮崎哲也(2019/7)、小松左京『小松左京スペシャル』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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