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2019年6月3日月曜日

(1623)  “One for all, All for one” / 聖火リレーのユニホーム

 
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(K0764) JR東海共和駅・認知症患者列車事故事件裁判(3) 認知症「神戸モデル」の意義 <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/06/k07643.html
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 “One for all, All for one”。この訳が、以前から気になっていました。
 結論から言うと、どのような場面で使うかによって、特に最後の”one”の訳し方が違います。
 
(1) 【目的】ラグビーでは、目的のために
(2) 【相互扶助の精神】保険の相互扶助の精神を表す言葉として
(3) 【友情】三銃士では、友情を表す言葉として
(4) 【勝利】ラグビーでは、「一人を助ける」では勝てない
(5) 【目標】学校教育では、勝利のためではなく、目標のため
(6) 【一つのミス】ラグビーで、一つのミスをみんなでカバーすることも大切
(7) 【バトン】陸上リレーにおいては、バトンで走者がつながる
(8) 【たすき】駅伝においは、たすきを皆でつなぐ
(*) <余談> 聖火ランナーのユニホームに襷


 「どの訳が正しいか」ではなく、「この場面では、どのように訳すのが適切か」
 このようなことは、よく起こります。それぞれが自説の正しさを主張するのですが、その前提となる背景が違うことに気付かないので、相手の主張を理解できないのです。
 相手の主張を理解しようとしないまま、自説の主張だけに熱心な人がほとんどです。論争するにしても、相手の主張を理解すれば反論のポイントがわかり、説得力ある主張ができます。でも、そういうことをしないのです。
 
 “One for all, All for one”では、最後の”one”が何かを書いていないため、読む人が勝手に”one”を自分の都合のように解釈できます。だからこのフレーズが、たくさんの人に愛されます。と、同時に、たくさんの人に誤解されるのです。
 
 ラガーマン(ラグビーをする人)が、相互扶助の精神で“One for all, All for one”を実践すると、そのチームは負け続けるでしょう。
 
 
 以下、詳細
 
(1) 「一人はみんなのために、みんなは一人のために」、間違ってる

===== 引用はじめ
ラグビーの用語として「One for all, All for one」 というのがあります。有名なので知っている人も多いかもしれません。
私はこの言葉がベタですが大好きです。
でも、実はこの言葉は誤解されがちなのです。以下のように捉えている方が多いのですね。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」
これは実は間違っていて、本当の意味は、
「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」
なのです。ここでいう目的は、ラグビーでいうとトライです。
これ、会社に置き換えても意味が通じます。一つの目的、つまりゴールのために全員が役割をしっかり果たすのが重要だ、ということなのです。
===== 引用おわり
https://note.mu/ss_morioka/n/n8d4e9222f517
 

(2) 「生損保を含めて保険は相互扶助の精神」を語る時は、誤訳ではない

「一人は万人のために、万人は一人のために」(Einer fur Alle, Alle fur Einen)
===== 引用はじめ
 保険思想家の伝記である資料2を参照したところ、p.67-91「アルフレート・マーネス」の章に、「一人は万人のために、万人は一人のために」(Einer fur Alle, Alle fur Einen)は、ドイツ保険学会創立者のマーネス(1877-1963)が主著『保険論』(1905)の第1巻第1章中で説いた名文句である旨の記述があった。
 「生損保を含めて保険は相互扶助の精神にもとづいた制度であることを簡潔に表現したものである」(p.67)として、その意味についても解説している。
【資料2】保険思想家列伝 続 / 小林惟司/著 / 保険毎日新聞社 , 1997.4 339.2/5001/2
===== 引用おわり
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000246586
 

(3) 友情を意味するとも解釈できる

===== 引用はじめ
 また19世紀末のアレクサンドル・デュマの長編小説「ダルタニャン物語」第一部、「三銃士」に使用されている。フランス語では「un pour tous, tous pour un」(アン・プル・トゥス、トゥス・プル・アン)となり、ダルタニャンと三銃士の固い友情を意味する言葉として、一躍有名になった。
===== 引用おわり
https://dic.nicovideo.jp/a/one%20for%20all%2C%20all%20for%20one
 

(4) ラグビーにおいては、「みんなは一人のために」では勝てない

===== 引用はじめ
 「One for All, All for One」は、「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」が正しいというのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。
 平尾氏は続けます。
 『みんなが一人を助けることは大切だけれど、本当にそれだけでよいのか。弱い立場にある一人を支えたり、自立できない一人を励ましたりするだけで組織は強くなれるのか。』
 さらには、『どんな優秀な選手でも一人でできることには限界がある。しかしチームになれば、 11 3 にも 5 にもなる。これがチームプレイの素晴らしいところだ。
 ただしそれには前提条件がある。それは一人ひとりが自立した大人であることが必要だ。一人ひとりがきちんと「勝利」に向かって自分の足で立っていること、チームの一員として他のメンバーに甘えたり、寄り掛かったりしない、大人の集団であることが必須なのだ。チームプレイの本質である相乗効果とは、一人 前以上のプロフェッショナルが集まったときにしか発揮されない。
 烏合の衆の寄せ集めでしかない 偽チームが行うチームプレイは、「助け合い」ではなく「助けてもらい合い」でしかない。
 だから こそ、僕たちはまず、自分の足で立つことから始めよう。一人で立てもしないうちから、「一人の ために(All for One)」と、「助けられ合い」をするのはやめよう
 まずは自分の足で「勝利」へと向かって立つ。そして、「相乗効果」を発揮して「勝利」をつかむのだ。』と。
===== 引用おわり
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/yako/index.cfm/1,1904,c,html/1904/20171110-210233.pdf
 

(5) 学校教育においては、「勝利のため」を「目標のため」に置き換えたい

===== 引用はじめ
 過日行われた運動会のように、技や動きの習得に時 間がかかる子に対して、周りの子が助言し励ますことで、その子の力が高まるようになるなど、大勢で一人をサポートすることが必要とされる、All for One=「一人のために」という状況もあります。ではここで、平尾氏の言う「勝利」を「目標」に置き換えるとどうでしょうか。一人ひとりが自分の力を伸ばし、その力を合わせながら一つの目標(One)に向かって突き進む
===== 引用おわり
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/yako/index.cfm/1,1904,c,html/1904/20171110-210233.pdf
 

(6) 一つのミスは、全員でカバーしなければいけない

 同じラグビーでも、違う解釈もある。前出(1)に次のようなことも書いてある。
===== 引用はじめ
 前提条件が崩れ、想定していない事態が発生するのですが、当然ボールをキープして攻撃を続けないとトライは取れない。
 では、どうやってボールをキープするかというと、ボールを持っている人間が役割を果たせなかった事を常に想定し、フォローしていればキープできます。なので、

- ミスはいつでも起こる(という想定)
- それを仲間が全力でフォローする(想定外な事が起きてもフォロー)
- ミスは起きるものなので、ミスを責めない。逆にフォローしていなかった事を責める。
===== 引用おわり
https://note.mu/ss_morioka/n/n8d4e9222f517
 

(7) 陸上リレーにおいては、”All for one “の ”one”は「一つのバトン」ではないか

 一人一人の走力は劣っていても、バトン・ワークで、日本は優秀な成績を収め、失敗すると失格する。全員が一つのバトンを確実につないでいく先に勝利がある。
「男子400Mリレー、日本はまさかの予選敗退 小池→桐生でバトンミス/陸上」
https://www.sanspo.com/sports/news/20190511/ath19051121220007-n1.html
 

(8) 駅伝においては、”All for one “の ”one”は、「一本のたすき」ではないか

 熱中症・脱水症で意識朦朧・フラフラになっても、脚を負傷して走れなくなったらはいつくばっても、たすきをつなごうとする。賛否はあるが、ここがマラソンを見て我々が胸を熱くする一つの場面であり、同時に、そのチームを強くする、そして勝利に向かわせる一つの原動力でもあるだろう。
【プリンセス駅伝】飯田怜が膝から流血してつなぐ画像が痛々しい。走れなかった本当の理由に感動も『選手の競技人生を』
https://rainmakerofnews.com/5488.html
 

(*) <余談> 聖火ランナーのユニホームに襷

 聖火リレーのコンセプトである「希望の道を、つなごう。」に基づき、襷(たすき)をデザインしたユニホームが披露された。―― いいと思いますよ。
石原さとみ「後ろ姿もかっこいい」東京五輪聖火ユニ
https://www.nikkansports.com/sports/news/201906010000643.html


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