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(K0776) 「看取りの家」断念(2) どう思ったか <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/06/k07762.html
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第3回 17日放送/ 19日再放送
タイトル: 小さな伝道者
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
【テキストの項目】
(1) 突然の帰郷と再会
(2) ペーターのおばあさんの讃美歌(3) 「放蕩息子」――おじいさんの回心
(4) 「療養大国」スイス――ハイジによる癒し
(5) ペーターへの教育
【展開】
(1) 突然の帰郷と再会
クララのお医者さんであるクラッセン先生の強い勧めで、ホームシックと夢遊病で衰弱したハイジは、故郷のスイスの山に帰ることができました。ペーターのおばあさん、おじいさん、ペーターとの再会がとても感動的に描かれています。
しかし、これでこの物語は終わりというわけではありません。ハイジ一人が幸せになって終わるのではなく、ハイジが都市で得たものを故郷に還元しはじめるということが、後半のポイントなのです。
(2) ペーターのおばあさんの讃美歌
「(ペーターの)おばあさんが毎日、(お土産にもらった白)パンを食べ続けることができたらもっと元気になれるのに」と聞いたハイジは、「何にお金を使ったらいいか、わかったわ!」と歓声を上げて跳びはねます。
今では上手に本が読めるようになったハイジは、おばあさんに讃美歌の歌詞を読んであげました。(目の見えない)おばあさんは感激して、「このことばは心を明るくしてくれる。心の目を見るようにしてくれるよ。なんていい気持ちにしてくれたんだろうね、ハイジ!」と感激しました。他者の喜びがハイジの喜びなのです。
(3) 「放蕩息子」――おじいさんの回心
そしてクララのおばあさまから教えられた「お祈り」の大切さや、神様から忘れられた人間の不幸について、おじいさんに語って聞かせるのです。
「一度そうなってしまったら、(略)誰も元に戻ることはできない。神様に忘れられた者は、一生そのままなんだ」とつぶやくおじいさんに向かって、ハイジは「そんなことないわ、おじいさん。(略)わたしが持っている本に書いてある、すてきなお話みたいなことが起こるのよ」と、「放蕩息子のたとえ」のお話を読んで聞かせます。翌朝、おじいさんはハイジをつれて、教会に行きます。 … おじいさは回心し、共同体に復帰します。今やハイジは「小さな伝道者」になっています。
(4) 「療養大国」スイス――ハイジによる癒し
さて、ここまでが物語の第一部となる『ハイジの修学時代と遍歴時代』にあたります。これから続編の第二部『ハイジは習ったことを役立てることができる』が始まります。
クララのお医者さんのクラッセン先生が(スイスにいる)ハイジを訪ねてきました。先生の目にこれまで見たこともない悲しみが湛えられていることに、ハイジは気付きます。クラッセン先生は愛する娘を失った悲しみから、「小さな伝道者」であるハイジが暗唱する讃美歌によって癒されていきます。
この頃スイスのイメージは、「山が多くて不変な僻地」から、高地の澄んだ空気・吹き渡る風・日の光・おいしい食べ物を求めて訪れる「保養地」へと変貌していきました。スイスはいわば「療養大国」になっていきました。
(5) ペーターへの教育
「小さな伝道師」ハイジは、ペーターに対して「小さな教育者」ともなるのです。ここでもハイジは習ったことを役立てようとしています。作者シュペリの、自然はたしかにすばらしいけれどもそれだけでは駄目で、やはり人間の形成には文明による教育や信仰が大切だという考えが、ここにも表れています。
16歳なのにまだ文字を覚えていなかつたペーターが、今では毎晩おばあさんのために歌詞を読むようになりました。ハイジから文字の読み方を習ったのです。
<出典>
松永美穂(2019/6)、シュピリ『アルプスの少女ハイジ』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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