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(K0784) 存在感がなくなる(3) 別の選択肢。「高級老人ホーム」とは <見守り>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/06/k0784-3.html
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村山は、県警によると、地震直後に町役場から南西約1キロの大槌交番にいたが、町役場に急行。ほかの警察官とともに住民を避難誘導しているところ、津波に流された。
「今、流れる屋根の上にいる。濁流に呑(の)み込まれた。命の危険を感じる」。村山は当時、切迫した内容の無線を伝えていた。自らの命が危ぶまれるその状況でも、村山は、漂流している住民を流れる屋根に引き上げて救助したという。地震発生から数日後、村山の遺体が町役場から数百メートル離れたブロック塀付近で見つかった。警察学校で教官時代の村山の教え子だった機動隊員が発見したという。遺体は、部下だった小笠原が村山の自宅に送り届けた。
あれから8年。小笠原は村山の死を通して「警察官の存在とはなにか」と常に自問している。
人を助けて命を落とすのと、助けずに命が助かるのと、どちらがいいのか。きっと正解なんてないんでしょうね。警察官というのは、自分の身に迫った危険と、助けなきゃいけないという気持ちをてんびんにかけたとき、自然と助ける方をとってしまう。特に課長はその気持ちが強かったんだと思います
東北管区警察局によると、東日本大震災で殉職したり行方不明になったりした警察官は岩手、宮城、福島の3県警で30人。国家公安委員会規則は、警察職員の職務倫理の基本を次のように定めている。
「誇りと使命感を持って、国家と国民に奉仕すること」
未曽有の災害に直面しながら、最後まで誇りと使命感を実直に貫き通した村山。小笠原は、肌身離さず持ち歩く警察手帳に、村山の名刺をしのばせている。
警察官という仕事が好きだった人。今でも一緒に仕事をしたいと思っています
ホームから転落した客を助けようとした李秀賢さん、敗戦濃厚の沖縄に赴任した島田叡さん、住民の避難活動で津波にのまれた村山基宏さんは、いずれも他者のために自らの命をなげうった。
分断が進み、異なる意見の他者を排除しようとする不寛容さが増す現代社会。使命感を持って生きた3人に学ぶことは多い。
<言葉>
誠実は、人間の保ちうる最も高尚なものであるジェフリー・チョーサー(詩人)
もっとも尊重せねばならぬのは、生きることにあらず、よく生きることなり
ソクラテス(哲学者)
このシリーズ(第一部) 終わり
<出典>
【勇気の系譜 第一部 使命】 村山元宏さん(上)(下)
(上)東日本大震災 殉職した警察官
避難誘導、津波に巻き込まれ 産経新聞(2019/06/04)
https://www.sankei.com/affairs/news/190603/afr1906030035-n1.html
(下)元部下、名刺を肌身離さず
警察官の誇り 使命感貫いた 産経新聞(2019/06/05)
https://www.sankei.com/west/news/190604/wst1906040029-n1.html
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