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2018年5月13日日曜日

(1237) 「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」

 
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(K0378)  将来の認知症に備える(2-2)法定後見人 <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/05/k0378-2-2.html
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 「自然との共生」と「民族の絶滅」は、どう関係するのだろうか。
 
 ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」
という本がある。
http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b227742.html
 


 「…に優しい」という表現は、私はあまり好まない。優しくなくてよいと思っている訳ではない。何に優しいか、どのように優しいかを検証することなくイメージを先行させると、何か、とんでもないものを引き連れてきそうな気がするからである。
 


 ドイツはエコロジー先進国であると言われているが、遡るとホロコーストを起こしたナチスの国である。そしてナチスの時代から、ドイツは自然に優しかった。
 
===== 引用はじめ
 ヒトラーをはじめとするナチス高官に菜食主義者と動物愛護者が多かったのは有名な話だし、動物を不必要に苛めたり手荒く虐待することを禁じる先駆的な「動物保護法」をナチスは1933年に発布している。そう、彼らは確かに、動物に対しては優しく、倫理的だった。
 史上最大の虐殺ともいわれるホロコーストを起こした残虐なナチスと、自然に優しいイメージのある有機農法は、一見対極に位置するように見える。しかし実際、両者は切っても切れない関係にあった。前者を推進する車輪として利用されたと言っていい。
===== 引用おわり
 

 二つのポイントがあるようだ
 

(1) バイオ・ダイナミックス農法は「人間非中心主義」

===== 引用はじめ
 バイオ・ダイナミックス農法は、化学肥料を排して土壌そのものの力を引き出し、人間も動物も植物も包括して持続可能な環境を整える「生物圏平等主義」を訴える。それはいわば、「人間中心主義」から「人間非中心主義」への脱却だ。
===== 引用おわり
 

(2) 排他的裏面のあるエコロジー

===== 引用はじめ
 「人に優しい」「地球に優しい」「毒の排出」といった言葉は耳に心地よく、化学製品にまみれて毒された体に強く訴えかける力がある。しかしその「人」や「毒」をどこで線引きするのか。自分たちを脅かす存在としてある特定の民族や人間集団を敵視した場合、その人たちは生物圏に存在することすら許されなくなる。
===== 引用おわり
 


 誤解があってはいけない。「自然との共生」が「民族の絶滅」を生むのではない。
 「自然との共生」が「生物圏平等主義」「人間非中心主義」「エコロジー思想」を経由して、「民族の絶滅」に結びついたという歴史があったことを述べている。
 
===== 引用はじめ
 自分が純化されたいという思いは、他者の排除に結びつく。エコロジーはそんな排他的な裏面があることを、ぜひとも肝に銘じたいと思った
===== 引用おわり
 
 

<出典>
ほしの・ひろみ、『ナチス・ドイツの有機農業』 / エコロジーに排他的裏面
【私と本棚 星野博美】 産経新聞(2018/05/08)
添付図は、本文から作成した。



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