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2018年5月4日金曜日

(1228) 「生きがい」を定義する / 神谷美恵子『生きがいについて』(A) / 100分de名著

 
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 神谷美恵子『生きがいについて』は名著で、学ぶことが多くある。しかし、不満もある。
 100de名著・神谷美恵子『生きがいについて』に関して、(0)(1)(2)…シリーズで、テキスト内容を追っていく。その一方、この(A)(B)(C)…シリーズで、それとは別に私の思うところを書いていく。
 

===== 引用はじめ  P.17
 現代人は、さまざまなことを明瞭な概念として認識することを望み、「生きがいとは何か」を定義したくなる。また、それができる能力を知性だと思いがちです。しかし、神谷はそうした硬質な知性では「生きがい」はとらえきれない、と感じている。

… 彼女は医師でもありますから、合理的思考がいかに重要かをよく理解しています。その上で、明言化を拒むもの、概念化を拒むものが存在し、「生きがい」は、そうしたものの典型だというのです。
===== 引用おわり
 
 
 私は、あえて逆らい、生きがいの定義に挑戦する。もしかしたら途中で白旗をかかげて挫折するかもしれない。それでも挑戦したい。

 
 
===== 『生きがい』の定義 (藤波による)

定義

(1)  『生きがい』とは、「MPベクトル」を賦活させるものの総称である

(2)  「MPベクトル」とは、「M状態」から「P状態」への移行を指し、いわゆる「生きがいを得る」という変化である

(3)  「M(マイナス)状態」とは、いわゆる「生きがいのない」状態である

(4)  「P(プラス)状態」とは、いわゆる「生きがいがある」状態である

なお、

(5)  「PMベクトル」とは、「P状態」から「M状態」への移行を指し、いわゆる「生きがいを失う」という変化である

===== 引用おわり
 

説明 1

 次のような対応がある。

  P(プラス)状態   ……  「生きがいがある」
  M(マイナス)状態  ……  「生きがいがない」
  MPベクトル     ……  「生きがいを得る」
  PMベクトル     ……  「生きがいを失う」

 ここで、右側にあるのは、俗な言い方であり、説明しやすいために使っている言葉にすぎない。「生きがい」なるものが、あったり、なかったりするものではない。「生きがい」なるものを、得たり、失ったりするものではない。
 例えば「生きがいがある」は一つの単語であり、もうこれ以上分解してはいけない。「生きがい」「が」「ある」と分けてはいけない。本物の『生きがい』は、ここにはない。
(神谷美恵子とは、違ったことを言っている)
 

説明 2

 MPベクトルは、絶えず働いている。特に苦悩・絶望状態で強く働く
 PMベクトルは、普通は、働かない。『生きがい』が作用すると働く

本物の『生きがい』は、PMベクトルを賦活させるものである。
(神谷美恵子には、こういう概念はない)
 
 

出典
若松英輔(2018/5)、神谷美恵子『生きがいについて』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


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