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(K0370) 多重介護と更年期障害 西川ヘレンさん <介護>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/05/k0370.html
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3つのステージに分けて概観する。
(1) PMベクトル …… 「生きがいを失う」
===== 引用はじめ
苦しみや悲しみが引き起こされる背景には、さまざまなきっかけがあります。神谷はその一例として次のように述べています。たとえば治りにくい病気にかかっているひと、最愛の者をうしなったひと、自分のすべてを賭けた仕事や理想に挫折したひと、罪を犯した自分をもてあましているひと、ひとり人生の裏通りを歩いているようなひとびと
===== 引用おわり
===== 引用はじめ
病、死別、失敗、挫折、過ち、こうしたものはすべて、人間が制御できないものです。つまり、生きがいの喪失は、いつ、どこで、誰にでも、起こり得る。特に病や死は、どんな人にも不可避的に訪れます。
===== 引用おわり
(2) M(マイナス)状態 …… 「生きがいがない」
===== 引用はじめ
「生きがい」を失っている人々は、… 「苦しみ」「悲しみ」「孤独」「さびしさ」「虚無」「倦怠」といった多様な感情にのみ込まれます。これらの感情に個別に対応することも可能ですが、神谷は、苦しみや悲しみを別々のものではなく、一つの大きなものと捉えていました。===== 引用おわり
(3) MPベクトル …… 「生きがいを得る」
===== 引用はじめ
悲しみをどう癒すかを考えるのではなく、悲しみはどこから来るのかを神谷は考えます。どのように苦しんでいるかを考えるだけでなく、苦しまなくてはならないその根本理由を探ろうとするのです。そこに神谷が見出したのが「生きがい」でした。それは人間のなかにある、人生、あるいは、いのちへの情愛といってもよいかもしれません。===== 引用おわり
以下は、自論。
「苦しみ」「悲しみ」がないのが「生きがいがない」ということなら、「苦しみ」「悲しみ」をなくすことが対策になる。しかしそれが成功しても、ニュートラルなレベルまで回復するだけで、それだけでは「生きがいがある」までは到達できない。
つまり、「生きがいがない」というときの「生きがい」と、「生きがいがある」というときの「生きがい」は別物なのである。そこで、「生きがいがない」「生きがいがある」周辺をいくら探しても、そこには「生きがい」は存在しない。
だから、神谷は「悲しみをどう癒すか」「どのように苦しんでいるか」を考えることには向かわない。「悲しみはどこから来るのか」「苦しまなくてはならないその根本理由」を探ろうとする。本物の『生きがい』はその辺りにありそうだ。そしてそれが見つかれば、「生きがいがない」から「生きがいがある」に一気に移れる可能性がありそうである。
<出典>
若松英輔(2018/5)、神谷美恵子『生きがいについて』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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