~ 『100分で名著』 12月26日(月) 22:25 – 22:50 Eテレ 放映 ~
(1)
「人間を自然化する」、「自然を人間化する」
トーテムの思考方法において「人間を自然化する」と「自然を人間化する」という二つの方向性がある
(2)
「トーテミズムの裏返し」
『野生の思考』に「トーテミズムの裏返し」という題で登場する二組四枚の絵。「人間の自然化」と「自然の人間化」が対比されている。
(3)
『鳥獣戯画』、『風流蛙大合戦之図』
日本における「自然の人間化」を表象する絵画である。
<説明>
(1)
「人間を自然化する」、「自然を人間化する」
トーテムの思考方法において「人間を自然化する」と「自然を人間化する」という二つの方向性がある
===== 引用 はじめ P.97
トーテムの思考方法では自然界と人間界の間に対応関係が打ち立てられますが、そのさいに「人間を自然化する」と「自然を人間化する」という二つの方向性が出てきます。
「自然の人間化」は、呪術の思考方法ともアニミズムとも深く関わっています。これが日本文化の特徴の一つを為しているのではないか。「自然を人間化する」ことによって、人間と自然の間に通路が開かれますが、これは「人間の自然化」を象徴する狼男のような存在をおそれた西欧とは対照的です。
===== 引用 おわり
(2)
「トーテミズムの裏返し」
『野生の思考』に「トーテミズムの裏返し」という題で登場する二組四枚の絵。「人間の自然化」と「自然の人間化」が対比されている。
===== 引用 はじめ P.96
「人間の自然化」の二枚の絵(シャルル・ルブラン画)では、狐とフクロウそっくりの人間の顔が描かれ、それらの動物の顔と比較されています。
「自然の人間化」の二枚(グランヴイル画)のほうは、鳥たちが人間の扮装で人間生活の一齣を演じるカリカチュアです。
===== 引用 おわり
(3)
『鳥獣戯画』、『風流蛙大合戦之古賀図』
日本における「自然の人間化」を表象する絵画である。
===== 引用 はじめ P.97
『鳥獣戯画』: 狐が女装して、田楽法師になった蛙がおり、猿がお坊さんの格好をし、猫が烏帽子を被り、兎が蛙と相撲を取ったりと、…
河鍋暁斎の『風流蛙大合戦之図』: 蛙の繁殖期の小競り合いをよく観察して人間世界における戦争を重ね、蛙が戦国の武将や足軽たちのように争います。
===== 引用 おわり
引用:
中沢新一(2016/12)、レヴィ=ストロース『野生の思考』、100分de名著、NHKテキスト
写真:人間の自然化、自然の人間化、鳥獣戯画、風流蛙大合戦之図
1月は「中原中也 詩集」
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