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(K1033) 高齢の親 緩~く見守り <見守り>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/02/k1033.html
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アポロ月面着陸が1969年。その23年前にクラーク『太陽系最後の日』が発刊された。その前駆として、ステーブルドン『最後にして最初の人類』、バナール『宇宙・肉体・悪魔』、ラッサ―『宇宙の征服』があった
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第1回 2日放送/ 4日再放送
タイトル: 知的好奇心が未来をつくる--『太陽系最後の日』
【テキストの項目】
(1) イギリスの理科少年
(2) 知られざる文学的系譜
(3) バナールから受けた影響
(4) 作家としての骨格形成
(5) 異星人の視点で読む物語
(6) 「青二才」としての人類
(7) 「センス・オブ・ワンダー」な大団円
(8) 素朴な宇宙への憧れ
(9) 「人類スゲー小説」の功罪
(10) C・S・ルイスとの論争
【展開】
(1) イギリスの理科少年
『太陽系最後の日』は、作家クラークとしての処女作であり、そして同時に出世作となった名作です。本作は一時のSFが持っていた特徴をほとんど完璧に備えた作品で、クラーク入門と同時にSF入門として最適の一編といえます。子ども時代のクラークは海の他にも恐竜のとりことなり、化石集めに熱中したりもしたようです。典型的な理科少年ですね。けれども彼には海と同じくらいに、あるいはそれ以上に心を惹かれるものがあました。すなわち、宇宙です。
(2) 知られざる文学的系譜
1929年、12歳の少年クラークは「アメージング・ストーリーズ」というアメリカのSF雑誌に出会います。当時のクラークにとってSFは「意識の拡大をもたらす唯一、本物の麻薬」だったと述べています。
さらに1930年、オラフ・ステープルドンの『最後成して最初の人類』に出会います。「わたしの想像力をこれほど強烈に揺さぶった本は、あとにも先にもない――ステーブルドン風な千万無量の展望と何億年もの歳月、諸文明と人類全種族の興亡は、わたしの宇宙観をそっくり一変させ、以来わたしの書くものに多大な変化を及ぼしている」
(3) バナールから受けた影響
分子生物学者バナールが書いた『宇宙・肉体・悪魔』は、人間は宇宙に出ていく過程でどのように変貌していくかを考察した思想書です。人間は宇宙に出ていく過程で、肉体を変え、知性を変え、従来の限界を乗り越えていく存在になってゆく――バナールはそう予言しました。
クラークが実際にバナールを読み始めたのは1950年代からだったそうですが、後年にも『宇宙・肉体・悪魔』を激賞し、もっとも素晴らしい科学的予測の試みであったと振り返って評価しています。
(4) 作家としての骨格形成
デイヴィッド・ラッサーが書いた科学啓蒙書『宇宙の征服』に出会ったクラークは、宇宙に惹かれていきました。「こうしてわたしははじめて、宇宙旅行というものはただおもしろい作り話でないことを知った。それはいつか現実におこりうることなのだ」
やがてクラークは、公立中等学校の校内誌に文章を寄稿し始めます。16歳の時です。揺籃時代において、作家クラークを形成する骨格はほぼ準備されていたとみるべきでしょう。
(5) 異星人の視点で読む物語
「いったいだれの責任なのか? 三日間というもの、その疑問がアルヴェロンの脳裏を去らなかった」という書き出しで、短編『太陽系の最後の日』が始まります。
アルヴェロンは、あと数時間のうちには命運のつきる第三惑星の生命体を救うため、緊急で駆けつけている宇宙船の船長です。第三惑星とは、地球のことです。
この物語は終始、銀河調査船のアルヴェロン船長と「さまざまな出自の生物」である乗務員の視点から語られてゆく、つまり、異星人の視点で読む物語なのです。
以下は、後に書きます。
(6) 「青二才」としての人類
(7) 「センス・オブ・ワンダー」な大団円
(8) 素朴な宇宙への憧れ
(9) 「人類スゲー小説」の功罪
(10) C・S・ルイスとの論争
<出典>
瀬名秀明(2020/3)、アーサー・C・クラーク スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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