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2020年2月9日日曜日

(1872)  ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』(2-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K1013) 「20代の母親を税制優遇せよ」 <少子高齢化>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/02/k101320.html
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ハヴェルは、ビール工場で9カ月の間、働いた。戯曲『面接』でも『力なき者たちの力』でもその経験が生きている。普通の戯曲家や政治家では、「慎ましい仕事」や「反政治的政治」などの発想は、生まれないだろう
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第2回  10日放送/ 12日再放送
  タイトル: 「真実の生」を求めて
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25

【テキストの項目】


(1)   青果店主が「真実の生」に目覚めたら
(2)  「真実」という言葉に込められたもの
(3)  「プラハの春」の挫折を経て
 
(4)  「憲章七七」による合法的な抵抗
(5)  「憲章七七」の倫理
(6)  「慎ましい仕事」と「反政治的政治」
 
【展開】
(1)  青果店主が「真実の生」に目覚めたら
(2)  「真実」という言葉に込められたもの
(3)  「プラハの春」の挫折を経て
 以上は、既に書きました。
 
(4)  「憲章七七」による合法的な抵抗
 社会の自由を求める戦いに、「合法性」を維持して行うものと、(武装、非武装を問わず)「抵抗」の二つがあるとしたら、ポスト全体主義に対して効力を発揮するのは前者だけだとハヴェルは考えていました。武力を用いる「抵抗」は「古典的独裁」では有効だが、「静的で、安定している」ポスト全体主義では体制への攻撃とみなされるため、徹底的に弾圧されてしまうと説きます。
 非常に単純に述べると、「憲章七七」の主張は「(1975年にチェコスロヴァキア政府が批准した)ヘルシンキ宣言が十分に守られていないので、守ってください」と政府に訴えているだけです。国家転覆を企んだり、体制転換を促したりする文言は一言もでてきません。
 
(5)  「憲章七七」の倫理
 「憲章七七」は、政治や国家に人権遵守を求めると同時に、「誰もが、一般的な状況下で責任の一端を担っている」と、個人にも訴えるものになっています。「見せかけ」の世界で人が放棄するのは、理性、良心、そして責任です。個々人が責任を担うことも、「真実の生」には欠かせないことなのです。「憲章七七」に秘められたこうした倫理性は、『力なき者たちの力』に継承され、「真実の生」という概念の重要な要素になっていきます。
 
(6)  「慎ましい仕事」と「反政治的政治」
 「世界は仕事の上に成り立っていたし、今なおそうである。雰囲気の上ではない。世界は、仕事によってのみ、慎ましい、恒常的な仕事によってのみ維持されている」(マサリク)
 こうした精神を受け継いだハヴェルもまた、社会主義体制下であっても、自分たちが「慎ましい仕事」の担い手になるべきだと考えていました。「良い仕事は悪い政治の真なる批判」になり、状況を少しずつ変化させていくことに繋がるからです。
 このような「反政治的な政治」の起点となるのが、慎ましい仕事であり、そしてさまざまな芸術や文化の探求なのです。
 
<出典>

阿部賢一(2020/2)、ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


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