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(K1015) ハッピーチャレンジゼミ <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/02/k1015.html
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「選択的接触」や「エコーチェンバー(残響部屋)現象」などは顕著でない。約4割の利用者は、自分とは反対の意見を見ている。過激な意見のうちの半分は、わずか0・2~0・3%の特別に熱心な人が書き込んでいる
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左右の過激な意見や対立者への罵倒が日夜飛び交うインターネット。トランプ米大統領当選や英国の欧州連合(EU)離脱など、主要国で世論が両極に分かれる「分断」現象が問題になる中、その主因に挙げられがちだ。だが、そうした印象を大規模調査による実証分析で否定し、政治的過激化は若者でなく中高年にみられるなどの意外な実態に迫った『ネットは社会を分断しない』(KADOKAWA)が話題になっている。
(1) 「ネットを利用する人ほど分極化が進み、政治的に過激化している」という仮説は正しくない
(2) ネットによく接する若い層とそうでない中高年を比べると、分極化しているのは後者
(3) ネット利用者が接した論客たちの政治傾向をみると、その約4割が各利用者とは反対の意見の持ち主
(4) 過激な意見の人は、数はごく少ないが目立つ。たとえばネット上の憲法9条についての書き込みのうちの半分は、わずか0・2~0・3%の特別に熱心な人が行っている
(5) ネット上の意見は分断が目立つが、それがネットで政治的な書き込みをしない人を含めた社会の分断に影響しているのかというと、現状そうなってはいない。しかし今後も続くかはわからない
【展開】
(1) 「ネットを利用する人ほど分極化が進み、政治的に過激化している」という仮説は正しくない
ネットが世論形成にもたらす影響については従来、① 自分がすでに持っている政治的・社会的な意見に合致した情報を選んで接する「選択的接触」や、
② 持論に沿う情報ばかりに触れた結果として意見の偏りが強化される「エコーチェンバー(残響部屋)現象」など、
社会の分断を強める作用が指摘されてきた。
(2) ネットによく接する若い層とそうでない中高年を比べると、分極化しているのは後者
もしネットのせいで分極化が進むのなら逆になるはず。これは米国の研究でも同じ傾向が指摘されている
(3) ネット利用者が接した論客たちの政治傾向をみると、その約4割が各利用者とは反対の意見の持ち主
4割も自分と反対の意見に接するというのはかなり多い。新聞やテレビ、雑誌など従来のメディア環境の場合は選択肢の少なさから左右どちらかの媒体しか見ない人は珍しくなく、その利用者がより分極化、過激化しているのは当然
(4) 過激な意見の人は、数はごく少ないが目立つ。たとえばネット上の憲法9条についての書き込みのうちの半分は、わずか0・2~0・3%の特別に熱心な人が行っている
実際はネット上の議論に参加しないサイレント・マジョリティーは相当な数がいて、両極端の意見に毒されない賢さを持っている。そうした大勢を見なければならない
(5) ネット上の意見は分断が目立つが、それがネットで政治的な書き込みをしない人を含めた社会の分断に影響しているのかというと、現状そうなってはいない。しかし今後も続くかはわからない
現在のネットが議論に適した場でないのは確かで、左右のヘビーライターに占有されずに中間層が発言できる言論空間が必要
<出典>
「過激化は若者でなく中高年」 『ネットは社会を分断しない』著者2人に聞く
産経新聞(2020/01/13)
https://www.sankei.com/life/news/200121/lif2001210002-n1.html
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