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(K0755) 生活満足度:60~89歳が全世代で最も高かった <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/05/k0755.html
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第4回 27日放送/ 29日再放送
タイトル: 死者が語るもの
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
【テキストの項目】
(1) 山の源氏、海の平家
(2) 忠と恕のあいだで――敦盛最期
(3) 義経というカリスマ
(4) 勝敗を分けた“かえり忠”――壇ノ浦の合戦
(5) もはやこれまで――先帝身投
(6) 見るべき程の事は見つ
(7) 戦いのあとの心象風景――大原御幸
(8) 建礼門院の最期
(9) 霊を呼ぶ琵琶の力
【展開】
(1) 山の源氏、海の平家
(2) 忠と恕のあいだで――敦盛最期
(3) 義経というカリスマ
(4) 勝敗を分けた“かえり忠”――壇ノ浦の合戦
以上は、既に書きました。
(5) もはやこれまで――先帝身投
山鳩色の御衣にびんづら結はせ給ひて、御涙におぼれ、ちいさくうつくしき御手をあわせ、まづ東をふしをがみ、伊勢大神宮に御暇申させ給ひ、其後西に向かはせ給ひて、御念仏ありしかば、二位殿やがていだき奉り、「浪の下にも都のさぶらふぞ」となぐさめ奉ッて、千尋の底へぞ入り給ふ。
(6) 見るべき程の事は見つ
「見るべき程の事は見つ」(もはや見るべきことはすべて見終わった)というセリフを残し、乳母子と一緒に鎧を着て海に入った平知盛。彼のような冷静さや俯瞰する視点が平宗盛にあれば、平家の命運も違っていたのかもしれません。阿波重能の裏切りに気付いて進言したのが知盛、それを退けたのが宗盛でした。
(7) 戦いのあとの心象風景――大原御幸
風景は、物語を聴く人に、登場人物の感情を押し付けることをせずに、聴く人のそのときの状況でさまざまな心情をそこに表出させます。
京都大原の寂光院に出家した建礼門院を、後白河法皇が訪ねた時の様子が「大原御幸」に描かれています。書かれているのは風景描写ですが、そこには心の風景が表現されています。
(8) 建礼門院の最期
建礼門院は平家一門を弔う日々を過ごし、静かに往生を果たしました。その様子は「女院死去」に描かれています。最期はまさに『往生要集』の「臨終の行儀」の実践と言えます。
建礼門院の最期を看取った二人もやがて往生を遂げ、この物語は終わりを迎えます。
(9) 霊を呼ぶ琵琶の力
『平家物語』を語る琵琶法師は、琵琶を弾きながらおそらく平家の霊を招いていたのでしょう。そして、言葉を発することができない彼らに代わり懺悔の物語をすることで、その魂を鎮めていたと思うのです。
『平家物語』は、闇が消え、視覚に頼り、死者を忘れてひたすら先に進もうとする現代人が失っている感覚を、歴史の向こうからもう一度思い出させる物語でもあります。
<出典>
安田登(2019/5)、『平家物語』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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