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(K0744) 8050の実像 事例1 <その他・ひきこもり>
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第3回 20日放送/ 22日再放送
タイトル: 衰亡の方程式
清盛を失った平家は、このあと木曽義仲との戦いに敗れ、とうとう都落ちすることになります。今回は木曽義仲と平家の没落、そして、その義仲が頼朝派遣軍に討たれるという、源氏と平家双方の運命を追っていきたいと思います。
【テキストの項目】
(1) 「運命論」から読み解く源平の盛衰
(2) 倶利伽羅落――戦場の音の迫力
(3) 「時」をつかんだ義仲、逃した平家
(4) 平家、ついに都落ち
(5) 「驕り」への過程
(6) 義仲のホモ・デウス化
(7) 「運」は頼朝にあり(8) キーパーソンは文覚
(9) 義仲の最期
(10) 義仲の死が意味するところ
【展開】
(1) 「運命論」から読み解く源平の盛衰
「運命論」によると運命には「運」「命」「時」の三つの側面があると言います。「運」とは大きな流れ(運び)、「命」とはその人が持って生まれた天命、そして「時」とは流れゆく時間のうちの一瞬をしっかりつかまえる力を言います。
「運命」という語は、『平家物語』から、その使用頻度が突然に増えました。
(2) 倶利伽羅落――戦場の音の迫力
義仲の作戦
① 源氏の白旗を掲げ、平家に大軍だと思わせ、平家を山中に足止め … 成功② 鏑矢の応答を繰り返し、暗くなるまで時間稼ぎ … 成功
③ 暗くなってから「箙の方立打ちたたき、時をどッとぞつくりける」「前後四万騎がをめく声、山も川もただ一度にくづるるとこそ聞えけれ」。前後から、箱をダンダンダンと打ち鳴らされ、「おお!」という大音声の鬨の声が暗闇の中、四方の岩にこだまする。闇は音を増幅し、音は不安を増幅させる。
慌てた平家軍は、唯一敵がいない倶利伽羅が谷に我先にと馬を走らせました。その先に待ち構えるのは断崖絶壁の谷。結局、七万騎が谷に落ちて人馬ともども死んでしまうのです。
(3) 「時」をつかんだ義仲、逃した平家
「運命論」でこの戦いを見てみれば、四万騎という大軍を招集する力のあった平家は、「運」としては断然有利だった。それに対して義仲は、矢合わせで時間を稼ぎ、ちょうどあたりが暗くなったときに前と後ろから敵を挟み込んで鬨の声をあげるという、最高のタイミングをつくり出した。まさにこの戦いに「時」をつかんで勝利したと言えます。
そしていま「運」が、平家から源氏に向かって傾き始めたのです。
(4) 平家、ついに都落ち
大敗を喫した平家は、その約二か月後、義仲軍がいよいよ京に迫っていると聞き、都を離れることを決断します。宗盛はこのとき、まさに「時」をつかみ損ねたのではないでしょうか。
都には法皇も天皇もいたわけですから、いくら義仲といっても総攻撃を仕掛けることはできなかったでしょう。すでに頼朝と義仲の間にはしこりがある。義仲の軍勢さえしのぐことができたら、別の展開があったかもしれません。
(5) 「驕り」への過程
倶利伽羅峠の戦いの頃の義仲には、謙遜したり神仏を敬ったりする気持ちがありました。しかし、後白河法皇から「朝日将軍」の称号を賜ったころから義仲のやりたい放題が始まり、ついには院の不興を買うまでになって能力しまいます。
以下は、後に書きます。
(6) 義仲のホモ・デウス化
(7) 「運」は頼朝にあり
(8) キーパーソンは文覚
(9) 義仲の最期
(10) 義仲の死が意味するところ
<出典>
安田登(2019/5)、『平家物語』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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