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(K0753) 私は何者か ~ 7つの「か」 ~ 現在と今後 <仕上期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/05/k0753.html
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第4回 27日放送/ 29日再放送
タイトル: 死者が語るもの
平家を都から放逐した木曽義仲も討たれ、物語はいよいよ「平家軍」対「頼朝派遣軍」の本格的な戦いへと突入します。
【テキストの項目】
(1) 山の源氏、海の平家
(2) 忠と恕のあいだで――敦盛最期
(3) 義経というカリスマ
(4) 勝敗を分けた“かえり忠”――壇ノ浦の合戦
(5) もはやこれまで――先帝身投
(6) 見るべき程の事は見つ(7) 戦いのあとの心象風景――大原御幸
(8) 建礼門院の最期
(9) 霊を呼ぶ琵琶の力
【展開】
(1) 山の源氏、海の平家
平家滅亡に至る三大合戦、一の谷の合戦、屋島の合戦、壇ノ浦の合戦の火ぶたが切って落とされます。一の谷の合戦で鮮明になるのが、山の源氏、海の平家、という両者の対比です。
壇ノ浦の垂直の壁の高さは約45メートルの高さ。本当に可能か? 東京の芝にある愛宕神社の「曲垣平九郎出世の石段」(*1。添付写真)を馬で上り下りして成功した例が3回あります(*2)。(*1) http://rintaro95.hateblo.jp/entry/atagojinnja
(*2) https://ja.wikipedia.org/wiki/愛宕山_(東京都港区)
(2) 忠と恕のあいだで――敦盛最期
「小二郎がうす手負うたるをだに直実は心苦しうこそ思ふに、此殿の父、うたれぬと聞いて、いか計りかなげき給はんずらん。あはれたすけ奉らばや」。平敦盛を組み伏せた熊谷直実が、忠(源氏の武将として平家の若武者を討ち果たす)と恕(同じ年頃である自分の息子小二郎を想い起こし、若武者の父親の心に一体化)の葛藤を語る名場面です。
(3) 義経というカリスマ
社会の統治集団のあり方が、カリスマを戴く組織からシステムの組織へ転換する時代が描かれています。カリスマの平清盛が死に、御恩と奉公というシステムの組織を確立した源頼朝の時代にかわっていきます。儒教の価値観をもとにシステム的な統治の形をつくろうとした平重盛は、志なかばで死にました。『平家物語』で大活躍するカリスマ源義経は、後に頼朝に討たれます。
(4) 勝敗を分けた“かえり忠”――壇ノ浦の合戦
壇ノ浦の戦いは、もし平家側の阿波野重能という武将の裏切り(密告)がなければ、平家が勝っていたのではないでしょうか。
かえり忠とは、元の主君に背いて別の主君に忠義を尽くすことです。忠義を尽くすという自分の態度は変わらないのですが、尽くす対象が替わる。勝ちそうな主君に鞍替えすることは、当時は絶対的な悪だとは捉えられていませんでした。
以下は、後に書きます。
(5) もはやこれまで――先帝身投
(6) 見るべき程の事は見つ(7) 戦いのあとの心象風景――大原御幸
(8) 建礼門院の最期
(9) 霊を呼ぶ琵琶の力
<出典>
安田登(2019/5)、『平家物語』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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