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2019年11月27日水曜日

(1800)  東アジア情勢と日本(藪中三十二、岡本行夫)

 
      最新投稿情報
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(K0941)  延命治療の非開始または中止 / 平穏死(A-18)<臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/11/k0941-18.html
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久しぶりに講演を聴きました。流石のスピーカー、新聞やテレビやインターネットで流れている情報と、質が違います。これを聞いて明日の私の行動が変わるわけではありませんが、折に触れて聞いておきたい話です
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24回新現役宣言フォーラムin関西
テーマ「東アジア情勢と日本」
ゲスト:薮中三十二氏(元外務事務次官・立命館大学客員教授)
ホスト:岡本行夫新現役ネット理事長
開催日時: 20191126日(火)1815分~2015
開催場所: 綿業会館(大阪市)
主催: NPO法人新現役ネット
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1.   挨拶(岡本行夫氏)

1.1.  国際事象は、30年周期
1.2.  グローバリゼーション
1.3.  独裁者、独裁的手法
1.4.  IT革命による変化が極めて大きい
1.5.  地球温暖化
 
2.   講演(藪中三十二氏)

2.1.  大きな枠組みが崩れようとしている
2.2.  世界は今、危険状態に入っている
2.3.  中国
2.4.  北朝鮮
2.5.  韓国
2.6.  今後の日本
 
3.   対談(岡本氏の質問に藪中氏が答えて)
 
4.   質疑
 


<覚書>
 
1.   挨拶(岡本行夫氏)
 
1.1.  国際事象は、30年周期
 例えば、
  キューバ危機(1962)~ソ連崩壊(1991)
  欧州経済共同体(EEC)発足(1958)~ベルリンの壁崩壊(1989)
  中国 経済開放(1991)~経済成長率が5%以下に下落(2020)
  ロシア連邦建国(1991)~クリミア侵攻(2014)
 
1.2.  グローバリゼーション
  絶対貧困率を下げた 30% 11%
  格差が拡大した。10%の人が90%の富。下位50%の人の富が1%
  移民・難民問題が多発
 
1.3.  独裁者、独裁的手法
  ロシアのプーチン、中国の習近平、北朝鮮の金正恩は、今後長らく独裁者であり続けるだろう
  アメリカのトランプ大統領、トルコのエルドアン大統領などは、独裁的手法を取り続けるだろう
 
1.4.  IT革命による変化が極めて大きい
  トランプ大統領は、「グローバリゼーションでアメリカの労働者が職を失った」と言っているが、それはわずかだ。1740万人いた労働者は、10年間のグローバリゼーションで40万人が職を失った。その後、2000年から10年間で、500万人のアメリカ労働者が職を失った。その原因は、グローバリゼ―ションではなく、技術(IT、ロボットなど)だった
  2006年以降急速に進化したディープラーニングなどITの飛躍的進歩が、人の職場を奪っている
  ソマリアで19人のアメリカ兵が殺害されて以来、人がいなくてもできる戦争を志向している
  今日の「2TBUSB」の記憶容量は、1995年台の「1.45MBのフロッピーディスク」を富士山の高さまで積み上げたより大きい
  中国では2025年には26億台(1人当たり2台)の監視カメラを設置し、顔認証ですべての国民の動向を把握できるようにする。なお、全国民は、全国民に対してスパイになるよう、法律で定められている
  ツイートは似た人を集める機能がある。国民は、いくつかの集団に分断される
  SNSで得られる断片的な情報では、建設的な意見は構築されない
 
1.5.  地球温暖化
 すさまじい勢いで温暖化が進んでいる。
 北極、南極、氷河の氷が全部解けると海面は60m上昇し、多くの都市が水没する
 
 
2.   講演(藪中三十二氏)
 
2.1.  大きな枠組みが崩れようとしている
大きな枠組み
  アメリカ中心 国際協調
 トランプ大統領は、アメリカさえよければそれでよい。国際協調に関心がない
  自由貿易 WTO
 トランプ大統領は、2国間交渉しかしない。WTOも離脱する可能性がある
  同盟関係 NATO、日米同盟
 トランプ大統領は、経済問題のディールの材料としか考えていない。アメリカがプーチンや習近平と話をつけるから、軍事同盟がなくても大丈夫だと言う。「対アメリカ貿易黒字」「防衛費の少なさ」で、ドイツをやり玉に挙げている。今は、日本に矛先が向かっていないが、いつまでこれが続くか分からない。日本もドイツと同じ状況だ。ただ、嘉手納基地と横須賀基地とは、アメリカの世界戦略で非常に重要な役割を果たしている
 
2.2.  世界は今、危険状態に入っている
   リーダー不在の世界
   軍備拡大に入った世界
   混沌の世界 イラン/シリア
   香港/北朝鮮
 
2.3.  中国
 中国は、日本との関係を改善しようと舵を切った。中国は信用できないという人が大多数だが、「交渉に応じて取るべきものは取る」、今は日本にとって絶好のチャンスだ。
 「東シナ海を平和・協力・友好の海にするため前進することで一致した」(2018/10/26)という方向に向かっている。尖閣諸島の2008年合意は、残念ながら条約に至らなかったので反故にされた。今は、沖縄トラフについても中国は軟化している。
 韓国がGSOMIAで後退した。アメリカの圧力だという声があるが、中国の影響の方が大きい。韓国は、徴用工問題で中国と共闘して日本に対抗するつもりだったが、あてが外れた。中国は日本との交渉により「徴用工は、終わった問題だ」と認識しているからだ。因みに、アメリカの韓国への影響が大きいとされているが、これだけもたついたのは、韓国への影響力が大幅に弱まっているからだ。
 
2.4.  北朝鮮
 トランプ大統領は、金正恩とディールした。北朝鮮は「テストしない」と約束し、アメリカは「首を取りにいかない」と約束した。北朝鮮は、アメリカに到達する大陸間弾道弾を開発したが、大気圏再突入の技術は完成しておらず、テストをしない限りアメリカが核攻撃を受けない、だから「テストしなければアメリカには核の脅威がなく安全だ」という理屈だ。韓国や日本が核攻撃されることについては、関心がない。
 交渉の順番(①米朝会談をする、②平和条約を結ぶ、③朝鮮半島を非核化する)は北朝鮮の思惑通り。朝鮮半島の非核化については、何も詰めておらず、実現の見通しがたっていない。ここを変えていかないと非核化は進まない。
 
2.5.  韓国
 韓国がこだわり続けているのは、「日韓併合条約が不法だ」という主張で、ここは日本も譲れない。1965年に「もはや無効である」という玉虫色表現でいったん収めたが、韓国はそれをまた蒸し返しにきている。
 日本としては、譲れないものは譲れない。徴用工問題でも「現金化するな」と言い続けるしかない。
 
2.6.  今後の日本
 日本は、総じてアジアの国々から信頼され、期待されている
  日本力 文化・伝統・技術
  外向力
  防衛力
 アジアにおける共生で、日本が何をするかが問われている
 
 
3.   対談(岡本氏の質問に藪中氏が答えて)
2030年に、アジアは平和になっているか混乱しているか。世界情勢も含めて教えてください」
 これまで世界を支えてきたシステム(「アメリカ中心 国際協調」「自由貿易 WTO」「同盟関係 NATO、日米同盟」)が崩壊する。
 「共通価値観がない」まま「世界のリーダーが不在」になり「力むき出しの軍拡」が進む。
 北朝鮮はマネージブルになってる。決定的な影響をもつのが中国だ。「国内が大混乱」になっているか、「大国アメリカとうまく渡り合えている」か。
 日本が先頭に立って新しいシステムを構築できれば、平和なアジアになる可能性がある。
 

4.   質疑
 (略)

 

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