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2019年11月20日水曜日

(1793) 学びの型 / 「マーケティングではなく、ブランディングだ」

 
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(K0934)  MCIから戻る人 <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/11/k0934.html
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自分たちがどうあるべきかをしっかり考えて、自分たちが思う「いいもの」を出していくのがわたしたちの生きる道だと考えている。わたしはよく「マーケティングではなく、ブランディングだ」という言い方をしてる
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(1790)からの続き

 自分の好みや、自分でできる範囲で作ったのでは、プロダクトアウトではありません。消費者にアンケートをとって得られたデータそのものでは、プロダクトアウトにはなりません。消費者は見たこともないし欲しいとも気づいていないが、それを使ってみて、お金を払ってもそれを欲しいと思ったら、プロダクトアウトになるでしょう。消費者の反応も見ずに「どうだ、これがいいだろう!」というのは、単なる驕りでしょう。ところが消費者(市場)を見ていてできるものでもありません。難しい所です。「生産者・供給者ではなく、三人称の顧客ではなく、感性豊かな一人称の顧客の声に耳を傾ける」と表現すればよいのでしょうか。

===== 引用はじめ
 ものづくりは、あくまで自分たちが起点であって、市場起点ではないと思っています。大手企業がしっかりマーケティングしても、結果的に売れないケースもあるわけじゃないですか。それを当社のような中小企業が真似してもうまくいくはずがない。それよりも、自分たちがどうあるべきかをしっかり考えて、自分たちが思う「いいもの」を出していくのがわたしたちの生きる道だと考えています。わたしはよく「マーケティングではなく、ブランディングだ」という言い方をしています。
===== 引用おわり
https://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/17013963
 

 「消費者が考えるいいもの」が不可知である以上、「自分たちが思ういいもの」からスタートする以外ありません。この両者は通底し(二つ以上の事柄や考え方が、基礎の部分で互いに共通性をもつ)ていなければならないし、そのためには「自分たちが思ういいもの」が基礎・根源的な部分まで到達していなければなりません。
 感覚的なレベルでは、展開できないでしょう。「自分にとってどんな価値があるのかを知る」というのは、「自分たちが思ういいもの」をより深めるための入り口だと思います。
 また、今まで無かったものが現れるのですから、周囲に色々新しいことが起こるし、その時に各々の因子も影響しあうものと思われます。「大きな体系を理解する」は、その全体を因果関係も含めて理解するように求めているものと思われます。
 

 中川政七さんの考える「学びの型」のフロー  (添付図にも示す)

===== 引用はじめ
   学ぶ意義を見いだす
 自分にとってどんな価値があるのかを知る
   大きな体系を理解する
   スケジュールを立てる
   インプット、アウトプットを繰り返す
===== 引用おわり

 このうち①と②が、「学びの型」に固有な、大切なところでしょう。なお、「学ぶ意義を見いだす」とは、何故、何の為に「学びの型」を学ぶのか、ということであり、なかんずく「作り手の“私たちはこうありたい”というビジョンがなければならない」、また、「自分にとってどんな価値があるのかを知る」が大切だ、と言おうとしているのだと考えました。

===== 引用はじめ
 分野を超えて通じる「学びの型」というスキル。仕事、勉強、サッカーなど、あらゆることを学ぶ際に必要な手順のようなものだが、「自分の中に持っておけば、今後どんな時代が到来しても対応できる」と中川さんは言う。

 理念をつくり、構造を見極め、他との差を知った上で、必要なことを得るためのスケジュールを練り、反復する。確かに、これはどんなことにも共通する学びの型に違いない。

 プロダクトアウトは、買い手のニーズより、作り手がいいと思うものを作って売ることを優先させるという考え方。作り手の「私たちはこうありたい」というビジョンがなけれならず、学びの型の「学ぶ意義を見いだす」という最初の一歩に重なる。
===== 引用おわり

 
このシリーズ終わり

<出典>
大谷卓、奈良・老舗から吹く風
産経新聞【偏西風】(2019/11/02)
https://special.sankei.com/f/column/article/20191102/0001.html

 

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