◆ 最新投稿情報
=====(K0093) 個人Blog 7月下旬リストなど <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/08/k0093-blog.html
=====
本章では、若者の文化、生活、自立支援の課題をジェンダーの視点から考えていく。とくに女性と労働、性別役割分業意識とその変化、再生産領域における男女の葛藤などに焦点をあてながら、若者にとっての自立の意味を現代のジェンダー構造とのかかわりで検討する
【目次】 第14章 ジェンダー・労働・再生産
1. ジェンダーと労働
2. 性別役割分業と現代社会
3. 若者の自立支援とシティズンシップ - ジェンダーの視点から
<各論>
1. ジェンダーと労働
(1) 労働市場において長年周辺化され不可視化されていた女性労働や女性を取り巻く貧困の構造が、若年層男女に急速に広がりをもったことで、格差社会の問題として認識された
(2) 近代家族は、性別役割分業、子ども中心主義、母性愛イデオロギーといった特徴を持つ家族であり、稼ぎ手役割の夫と家事・育児を担う妻という、性別役割分業システムが広く浸透していった
(3) 政府は女性差別撤廃条約の批准(1985年)のため、国内法の整備として、労働の分野では①男女雇用機会均等法(1985年成立、86年施行)、②国籍法改正(父系血統主義から父母両系主義へ)、そして③家庭科カリキュラムの男女共修、すなわち明示的な性別役割分業型カリキュラムを見直す必要に迫られたのである。
2. 性別役割分業と現代社会
(1) 1979年には「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」との考えに肯定的意見を持つ人の割合は7割を超えていたのに比べ、2004年には「性別役割分業」に肯定的意見を持つ人の割合は男女とも5割を下回っている
(2) 雇用の流動化は、労働時間の二極化(非正規雇用の増加と、その一方で正規雇用の社員・職員の負担増)をもたらした。ジェンダー化された労働状況は、正規雇用の男性・父親を家庭や子育てから遠ざけるシステムとしても作動している
3. 若者の自立支援とシティズンシップ - ジェンダーの視点から
若者のエンパワーメント(生きる力の獲得)に必要な支援とは、ジェンダー公正に根差した社会的・経済的自立と、再生産領域を含めた生き方の自己決定にかかわる自律性の保証である
引用
天童睦子「第14章 ジェンダー・労働・再生産」竹内清・岩田弘三編、子供・若者の文化と教育、放送大学教材(2011)
0 件のコメント:
コメントを投稿