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2018年11月3日土曜日

(1411)  日薬と目薬 遺族への処方 / NC(4)

 
      最新投稿情報
=====   今回は、同じ
(K0552)  日薬と目薬 遺族への処方 <親しい人の死>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/11/k0552.html
=====
 

1.   遺族の苦悩

1.1.  死別が遺族に与える影響
1.2.  遺族の苦悩は正常な反応。精神科医として
1.3.  主治医としての関与
 

2.   代表的な遺族の苦悩と主治医の処方

2.1.  遺族を苦しめ続けるものの大部分は後悔
2.2.  無理やり悲しみを封じ込まれがち
 

3.   日薬と目薬

3.1.  日薬
3.2.  目薬
3.3.  人の病の最良の薬は人である
 


【展開】

1.   遺族の苦悩
 
1.1.  死別が遺族に与える影響
(1)  身体面: 全般的な死亡率、心筋梗塞発症率、脳卒中や肺梗塞の発症率、… が上昇します
(2)  精神面: 抑うつや希死念慮、孤独感、絶望感の増加…、自分自身の受診率や服薬率の低下…、アルコール摂取や睡眠薬服用、うつ病、自殺率が上昇…、…後悔の念にさいなまれる
(3)  社会面: 家族関係がぎくしゃくしてきたり、ひきこもり傾向…
 
1.2.  遺族の苦悩は正常な反応。精神科医として
===== 引用はじめ
 考えてみると、これらも遺族における正常な反応だとも見なせ、ことさら主治医である精神科医が介入までもないのかもしれません。
===== 引用おわり
(注)「精神科医は、異常な精神状態の対処法には慣れていても、正常な精神状態の扱い方など知りません」(P.82)
 
1.3.  主治医としての関与
===== 引用はじめ
 しかし遺族は、えてして親しい友人にも親族にも、自分の恥をさらすようで、苦しい胸の内を打ち明けにくいものです。 … 主治医にこそ、苦悩を話しやすい面があります。
===== 引用おわり
 


2.   代表的な遺族の苦悩と主治医の処方
 
2.1.  遺族を苦しめ続けるものの大部分は後悔
(1)  「もっと何とかしてやれなかっただろうか」「受診させるのが遅すぎたのではないか」「モルヒネを頼んだので死期を早めたのではないか」と、いくつもの後悔が遺族を苦しめます
(2)  「あれ以上の介護と献身は、考えられません。主治医である私がよく見て知っています」と言ってあげるだけで、遺族の心の重荷は軽くなります
 
2.2.  無理やり悲しみを封じ込まれがち
(1)  遺族はまた、周囲から、「思ったより元気ね」「新しい気持ちで前向きにしないとだめよ」と言われ、無理やり悲しみを封じ込まれがちです
(2)  主治医が同じような悲しみに満ちた態度で、じっと話を聞き、回復を辛抱づよく待つのは、何よりの助けになるはずです。
 


3.   日薬と目薬
 「私はこのような主治医の処方を、日薬と目薬とで表現しています」
 
3.1.  日薬
===== ヒトは引用はじめ
 何事もすぐには解決しません。数週間、数カ月、数年、治療が続くことがあります。しかし、何とかしているうちに何とかなるものです。
===== 引用おわり
 
3.2.  目薬
===== 引用はじめ
 「あなたの苦しい姿は、主治医であるこの私がこの目でしかと見ています」ということです。 … ヒトは誰も見ていないところでは苦しみに耐えられません。ちゃんと見守っている眼があると、耐えられるものです。
===== 引用おわり
 
3.3.  「人の病の最良の薬は人である」
 セネガルの言い伝えです。
 


<出典>
帚木蓬生、『ネガティブ・ケイパビリティ』、朝日新聞出版、P.87-P.89

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