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(K0963) 神経細胞の活性化 <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/12/k0963.html
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イワンはアリョーシャと会い、彼が犯人としてずばりスメルジャコフを名指ししていることに驚く。事件以降、イワンはスメルジャコフを3度訪れる。ドミートリー裁判が進行する傍ら、真相が次第に明らかになっていく☆☆
第4回 23日放送/ 25日再放送
タイトル: 父殺しの深層【テキストの項目】
(1) 犯人は誰か
(2) あなたは見殺しになさった
(3) 「あなたじゃない」が意味すること
(4) わたし、あの人待ちません
(5) スメルジャコフの主体性
(6) アリョーシャの「黙過」
(7) 自伝層における父殺し
(8) 「カラマーゾフ万歳!」のダブルミーニング
(9) 「第二の小説」を空想する
【展開】
(1) 犯人は誰か
第4部第11編「兄イワン」で、物語は再びフョードル殺人事件に戻り、ついに、その犯人捜しをめぐる謎解きが始まります。
イワンは当初、父殺しの犯人はドミートリーと考えていました。しかし、イワンの問いにアリョーシャは、答えました。「兄さんは、ご自分でだれか知っているでしょう」「ぼくが知っているのはひとつ」「父を殺したのは、あなたじゃないってことだけです」
(2) あなたは見殺しになさった
「あのとき、あなたはたぶん、ご自身でもたいそうお父上の死を願っていた、ということでして」。たまりかねてスメルジャコフを殴るイワン。「親父を殺したのはおまえか!」とイワンの問いに、スメルジャコフは「殺したのはぼくじゃありません、それは、あなたがちゃんとご存知のはずです」と答えます。
(3) 「あなたじゃない」が意味すること
「父をころしたのはあなたじゃない」、そのアリョーシャの言葉の意味は、それは「父を殺したのはあなたのなかの何かだ」という肯定の意味になります。
端的にアリョーシャが言おうとしていたのは「イワン、あなたは実行犯ではない、しかし罪を免れない」ということです。
(4) わたし、あの人待ちません
小唄を歌いながら千鳥足で歩く酔っ払いの百姓がこちらに近づいてきます。
ああ、イワンは都に行きました
わたし、あの人待ちません!」
この小唄を聞くうちに、イワンのうちに正体不明の怒りがこみ上げました。
「わたし、あの人待ちません!」とは、まさに「あの人=イワン」からのスメルジャコフ(百姓の側に立っている)の自立を暗示する言葉でもあったのです。
(5) スメルジャコフの主体性
スメルジャコフはたんにイワンに指嗾(*)されて行動したのではない、そこには自らの主体的意思も介在していたらしい。例の、百姓の「小唄」と緊密に結びつく「自立」のモチーフです。
結論から言うと、スメルジャコフは、フョードル殺害においてみずからの願望の実現も図ろうとしていたのでした。
(*)(シソウ) 第三者を唆して悪事を働かせること
以下は、後に書きます。
(6) アリョーシャの「黙過」
(7) 自伝層における父殺し
(8) 「カラマーゾフ万歳!」のダブルミーニング
(9) 「第二の小説」を空想する
<出典>
亀山郁夫(2019/12)、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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