【 読書 ・ 100分de名著 】5つの詩を紹介します。「私と小鳥と鈴と」「こだまでしょうか」「星とたんぽぽ」「明るい方へ「このみち」。明るく励ましてくれる詩です。金子みすゞの、生きづらい生涯から生まれたからこそ力強いのでしょうか。
第4回 31日放送/ 2月2日再放送
タイトル: ことばで響き合う未来へ - 童謡とみすゞの復活
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
5つの詩を紹介します
(1)
私と小鳥と鈴と
(2)
こだまでしょうか
(3)
星とたんぽぽ
(4)
明るい方へ
(5)
このみち
【展開】
(1)
私と小鳥と鈴と
「私が両手を広げても、… みんなちがって、みんないい。」
全文は例えば、
http://wp1.fuchu.jp/~zenshoji/minna.htm
第一連は、空を飛ぶ小鳥、そして地面を走る私。第二連は、きれいな音で鳴る鈴、そしてたくさんの唄を歌える私。第三連は、それぞれが違っていることが、すばらしい、違いをよしと肯定する。この詩の心の寛さ、包容力。
(2)
こだまでしょうか
「「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。 … こだまでしょうか、いいえ、誰でも。」
全文は例えば、
https://diamond.jp/articles/-/291629
平成23年3月11日、東日本大震災が起きます。テレビとラジオでは、商業広告の代わりに、ACジャパンのCMとして、みすゞの詩が放送されました。
相手にかけた言葉は同じ言葉で返ってくる。それはこだまだけではない……。当たり前のことを、子どもの語り回調でくり返し、そのリフレインが大きな力をもっていく詩の力。
(3)
星とたんぽぽ
「青いお空のそこふかく、 … 見えぬものでもあるんだよ。」
全文は例えば、
http://www.ondoku.sakura.ne.jp/gr3hositotanpopo.html
彼女の詩は優しいだけではありません。真昼の空の星に託して、この世を成りたたせている眼に見えない偉大な仕組み、あるいは存在を描いています。
(4)
明るい方へ
「明るい方へ 明るい方へ … 都会(まち)に住む子らは。
全文は例えば、
https://yugemusic.com/more-bright-misuzu/
植物、虫、子どもと、小さな、か弱いものを挙げています。しかも植物は、日光を浴びる大輪のひまわりではなく、薄暗い藪かげの葉っば、虫は昼間の蝶々ではなく、夜飛ぶ虫、子どもは日に焼けた円合の子ではなく、都会の子どもです。 … 陽の当たらない場所に生きる弱き者たちへの祈りのような励ましを、詩人はこの詩に込めているのです。
(5)
このみち
「このみちのさきには、 … このみちをゆこうよ。」
全文は例えば、
https://yugemusic.com/this-way-misuzu/
私たちが生きていく人生という道の先に、何があるのか、誰にもわかりません。けれど、この道の先には、大きな森があろう、大きな海が、大きな都が、すばらしい何かがあろう。今は一人ぼつちでも、この道の先には、仲間がいる、広い世界がある、明るい未来があると信じて、みんなで歩いて行こう……。
<出典>
松本侑子(2022/1)、金子みすゞ詩集、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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