【 読書 ・ 100分de名著 】5つの詩を紹介します。「夜散る花」「杉の木」「光の籠」「玩具がない子が」「繭と墓」。みすゞが未来への抱負や憧れを胸にいだき、さらに夢破れた挫折と悲嘆を経験したからこそ、文学として胸を打つ傑作が生まれた
第3回 24日放送/ 26日再放送
タイトル: 「孤独」と「死」をみつめて - 童謡詩の衰退
5つの詩を紹介します
(1)
夜散る花
(2)
杉の木
(3)
光の籠
(4)
玩具がない子が
(5)
繭と墓
【展開】
(1)
夜散る花
「朝のひかりに 散る花は、 … 夜散る花は 誰とあそぶ。」
全文は例えば、
https://ameblo.jp/moriisamu-misuzu/entry-11940983110.html
この詩には、咲き誇る花でなく、散っていく花に心を寄せるみすゞのこまやかな優しさが表れていますが、それは、散っていく花のあわれに共鳴する詩人の寂しさでもあります。
(2)
杉の木
「母(かあ)さま私は何になる。」 … 「母さんみたいな杉の木に。」
全文は例えば、
https://plaza.rakuten.co.jp/shirokiyagh/diary/201110270001/
この詩には、東京で詩集が刊行されるような詩人にはなれないかもしれないという、みすゞの諦めに似た境地が感じられます。この詩が載った大正14年の「童話」に、みすヾ作品の掲載はほとんどなく、ライバルの活躍が目立っていました。
(3)
光の籠
「私はいまね、小鳥なの。 … 心やさしい小鳥なの。」
全文は例えば、
https://plaza.rakuten.co.jp/shirokiyagh/diary/201112130001/
この小鳥は、鍵のかかった籠に閉じ込められているわけではありません。しかし小鳥は、日に見えない籠という檻、囲い、あるいは規範に自ら閉じこもり、小さな空間におとなしく飼われている……。
(4)
玩具がない子が
「玩具のない子が さみしけりゃ、 … 何を貰うたらなおるでしょう。」
全文は例えば、
https://ameblo.jp/moriisamu-misuzu/entry-11409410241.html
私」は、母があり、玩具がこぼれるほどあってもさみしい。そんな「私」は、何があれば、その虚しい心は救われるのか。「母」は家族や友人、「玩具」は衣食住や遊びの品々のたとえです。
(5)
繭と墓
「蠶(かいこ)は繭(まゆ)に はいります、 … 天使になつて 飛べるのよ。」
全文は例えば、
https://blog.goo.ne.jp/chuo1976/e/7a010e1fc49126a48c9468416c13cfd2
蚕は白い繭に入って蝶となって飛びたち、人は墓に入って翅のある天使となり空高く飛んでいきます。八十は、自死したみすゞが、青空の清い天使となり、その魂の安らかならんと願い、昭和6年の雑誌に載せたのです。
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
<出典>
松本侑子(2022/1)、金子みすゞ詩集、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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