【 読書 ・ 100分de名著 】人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、愛らしい遊び、小さな命の儚さといとおしさ、ふるさとの海辺の情景、ファンタジックな夢想、宇宙の成り立ち、女性の生き方にも筆を広げています。
【はじめに】 聖女から詩人へ
金子みすゞの詩というと、優しくてかわいい作風を連想しますが、実際は幅広いテーマで意欲的に創作をしています。一人で生まれ一人で死んでいく人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、愛らしい遊び、小さな命の儚さといとおしさ、ふるさとの海辺の情景、ファンタジックな夢想、宇宙の成り立ち、さらに童謡詩の範疇を超えて、女性の生き方にも筆を広げています。これらの詩は、みすゞ本人の人生とも関わっているのです。
「童謡」といえば、今では幼児の歌とされています。しかし大正時代に童謡詩が誕生した当初は、音楽ではなく、活字で読む詩歌の文芸でした。
本誌では、童謡詩が、大正デモクラシーの自由主義の気運から誕生し、歌となって人気を博し、やがて昭和の戦争の時代に衰退していく社会的、文化的な背景を紹介しながら、みすゞの生涯と傑作詩を読み解きたいと思います。
「100分de名著」 金子みすゞ詩集が、1月10日(月)から始まります。Eテレ。
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
講師は、松本侑子(作家、翻訳家)
<全4回のシリーズ> 第4回再放送以外は、1月
【はじめに】 聖女から詩人へ
第1回 10日放送/ 12日再放送
タイトル: 詩心の原風景 - 童謡詩の誕生
第2回 17日放送/ 19日再放送
タイトル: 視点の逆転、想像の飛躍 - 投稿詩人の誕生
第3回 24日放送/ 26日再放送
タイトル: 「孤独」と「死」をみつめて - 童謡詩の衰退
第4回 31日放送/ 2月2日再放送
タイトル: ことばで響き合う未来へ - 童謡とみすゞの復活
<出典>
松本侑子(2022/1)、金子みすゞ詩集、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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