◆ 最新投稿情報
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(K1047) 認知症の予兆 AI検知 <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/03/k1047.html
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オーストラリアへの船旅の途中で書き始めた。本作品は、クラークの青春時代から成熟の時代への軌跡、すなわちSFそのものの青春と成熟の過程が凝縮、結晶化された、まさに宝石のような輝きを放つ素晴らしい一冊だ☆☆
第3回 16日放送/ 18日再放送
タイトル: 科学はユートピアをつくれるか--『都市と星』
【テキストの項目】
(1) 人の生死をも管理する都市
(2) サイバネティックス小説の先駆け
(3) 「特異の人」が世界を動かす
(4) もうひとつの共同体で見つけたもの
(5) 自己成長の物語
(6) 神話色の強い冒険
(7) 「伝説」の背景に隠された真実
(8) ダーウィンはいかに世界を変えたか
(9) 夜のとばりに抗って
(10) 海の冒険からクラークが学んだもの
【展開】
(1) 人の生死をも管理する都市
本作の舞台となるダイアスパーは、人の誕生や死さえも完全管理された驚異の都市。住民はおよそ千年の寿命を迎えると、その情報とともに都市のメモリーバンクに格納され、約十万年後にふたたび肉体をまといます。
伝説によると人類は〈侵略者〉によって宇宙を追われ、地球で細々と生き続けることを余儀なくされたという。 … しかし、人類は決して不幸ではない。その都市に閉じこもっている限りは安穏な暮らしが保障され、しかもある種の不老不死も手に入れているからです。
(2) サイバネティックス小説の先駆け
ダイアスパーの根幹を為すのが、メモリーバンクです。ここにVR(ヴァーチャルリアリティ)的なデータが「構成情報」として蓄積され、住民の生死を含む都市運営を司っている。
第二次世界大戦後、ノーバート・ウィーナーがサイバネティックスという概念を提唱します。 … 人間と機械が次第につながり、一体化していくという未来像――インターネットやAI、VRなどの原型となる発想が生まれてきた時代です。そういう流れを本作『都市と星』に読み取ることができます。
(3) 「特異の人」が世界を動かす
ダイアスパーでは、過去に人生を全うした者たちが、およそ十万年という時を経て、新たな肉体をまとって再生し、暮らしている。前世の記憶やダイアスパーに関する情報は、ふたたび生を受けてしばらくすると回復する。ところが、アルヴィンだけは違いました。彼は、全人類のなかで唯一、過去に生を受けた経験のない人間だったのです。
… アルヴィンだけは違う。外に出て行きたい、外の世界を見たいという強い衝動を持っているのです。
(4) もうひとつの共同体で見つけたもの
アルヴィンの「外へ出たい」という衝動には、二つの側面があったのです。第一に「探検したい」という気持ち、第二に「さびしい」という気持ちです。ダイアスパーの外に行けば、「さびしさ」をも埋めてくれる何かが見つかるのではないか。 … そのなにかとは――相手を気づかい、いたわる心だった。
リスの地にたどり着くと、まったく違う世界がアルヴィンを待っていました。そこはダイアスパーのような不老不死の世界ではなく、自然の摂理で死んでいくことを選択した集落だったのです。その代わり、人とのコミュニケーションが非常に大事にされていて、住民たちはテレパシー能力も身につけている。そこでアルヴィンは「相手を気づかい、いたわる心」の大切さに気がつくのです。
(5) 自己成長の物語
アルヴィンは、往還十日のリスの旅を評議会に報告する際、次のように締めくくっています。「 … ぼくたちは怯えているんです――歴史の曙において起こったなにかに怯えているんです。その真実を、ぼくはリスで知りました」。ここには、はっきりとした自己の成長があります。その上、冒険から戻った元のコミュニティにも、自覚を促しています。狭いコミュニティに「特異な人」が現れ、その人物が外に出て行くと、そのコミュニティが変容を遂げてゆく――そういうことは現実社会にもありますね。
以下は、後に書きます。
(6) 神話色の強い冒険
(7) 「伝説」の背景に隠された真実
(8) ダーウィンはいかに世界を変えたか
(9) 夜のとばりに抗って
(10) 海の冒険からクラークが学んだもの
<出典>
瀬名秀明(2020/3)、アーサー・C・クラーク スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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