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(K1066) 移動車による巡回販売 / 上郷ネオポリスの挑戦(2) <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/03/k1066-2.html
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ウォルトが原作の残酷さや両義性を実に上手に取り除いて誰もが感動する冒険ファンタジー作品に仕上げたもの、それがディズニーのアニメ『ピノキオ』。『ピノッキオの冒険』全体を正確に知っている人は、実は少ない☆☆
「100分de名著」 コッローディ『ピノッキオの冒険』が、4月6日(月)から始まります。Eテレ。
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
講師は、和田忠彦(イタリア文学研究者)
<全4回のシリーズ> いずれも4月
【はじめに】 既存のイメージを覆す型破りな物語
第1回 6日放送/ 8日再放送
タイトル: 統一国家とあやつり人形
第2回 13日放送/ 15日再放送
タイトル: 嘘からの成長
第3回 20日放送/ 22日再放送
タイトル: 子どもをめぐる労働と不条理
第4回 27日放送/ 29日再放送
タイトル: 「帰郷」という冒険
【はじめに】 既存のイメージを覆す型破りな物語
① 『ピノッキオの冒険』とウォルト・ディズニーのアニメ『ピノキオ』は違う② 『ピノッキオの冒険』と『クオーレ』
③ 「ピノッキオはわたしだ」
④ 読者の参加により完成された物語
【展開】
① 『ピノッキオの冒険』とウォルト・ディズニーのアニメ『ピノキオ』は違う
ウォルト・ディズニーのアニメ『ピノキオ』は、原作に忠実なものではまったくなく、ウォルトが原作の残酷さや両義性を実に上手に取り除いて誰もが感動する冒険ファンタジー作品に仕上げたものです。本当の『ピノッキオの冒険』の魅力には、映画で触れることはできないとも言えます。ピノッキオは、おそらく世界でもっともよく知られた人形キャラクターでありながら、その物語全体を正確に知っている人は、実は極めて少ないと言えるでしょう。
② 『ピノッキオの冒険』と『クオーレ』
「少年少女世界文学全集」のなかの一巻に、『ピノッキオの冒険』と同時代にイタリアで発表され爆発的に売れた児童書『クオーレ』(「母をたずねて三千里」の物語が収録されている)というふたつの作品が収められています。あまりにも対照的な物語、『クオーレ』は「良い子」、『ピノッキオ』は「悪童」の物語です。
③ 「ピノッキオはわたしだ」
ピノッキオは人形になる前の棒っきれの段階から言葉を有しています。すなわち、自分の意志や個性を持っている。さらに言えば、ピノッキオという存在は、この世に生れ落ち、幼少期、成熟期を経て死に向かうという、人間がたどるであう一生のプロセスを最後まであらかじめ体現する存在として、物語に登場しているのです。
誕生から140年になろうとするあやつり人形の物語がいまもなお読み継がれていることに理由があるとすれば、それは「ピノッキオはわたしだ」と、読みながら、そして読み終わったときに、痛切に感じるからではないでしょうか。
④ 読者の参加により完成された物語
「子ども新聞」に掲載されていた『ピノッキオの冒険』は、ピノッキオが樫の木に首を括られて命を落とし終わりました。しかし、子どもたちと親たちの要望で、連載は再開され、ピノッキオは生き返りました。
二十世紀以降の小説と読者のあり方(すなわち、読者の読書経験のなかではじめて小説は完成する、という文学批評の流れ)を考えたときに、まさに先駆的で象徴的な出来事だったと言えるでしょう。
<出典>
和田忠彦(2020/4)、コッローディ『ピノッキオの冒険』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)