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2019年7月31日水曜日

(1681)  各党議席獲得数(参院選 2019/07/21) / 無所属

 
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(K0822)  長寿食(1) 健康十か条 <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0821-1.html
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 調べていると、当選した「無所属」は、「無所属でない」という、不思議なことが起こっていることが分かってきました。
 
 「無所属」というのが、訳が分かりません。
 

 「国民民主の党籍を残したまま無所属で広島選挙区(改選数2)で再選した現職を加える」という。つまり広島県で当選した森本真治氏は、一貫して国民民主党なのだが、選挙の期間だけは無所属になっている。政治上・選挙法上は問題ないが、一般常識で言うと「偽りを言っている」ということになるのではないでしょうか。
 
 無所属で当選し、「当面は無所属で活動する意向」の4人を、立憲民主党(以下「立民」)と国民民主党(以下「国民」)とが激しく奪い合おうとしているが、これが複雑です。
===== 引用はじめ 
 仮に国民が思惑通り「国民系」(*)を引き込んだとしても立民の野党第1会派は入れ替わらない。とはいえ、国民側には日本維新の会と連携して第1会派を奪う構想もあり、立民関係者は「参院の国民は必ず動く。主導権争いになる」と警戒を強める。
===== 引用おわり  (*)【「当面は無所属で活動する意向」の4人】のこと


 無所属の場合、当選後「最終的には候補者本人が当選後に選択権をもっており、いずれの会派にも所属しない選択肢もある」(**)。だから彼らは、当選後どの会派に所属しようが、法律上何の問題はありません。
 
 しかし、投票する候補者が将来、立民に入るか国民に入るか他の会派に入るかあるいはどの会派にも入らないのか、全く白紙のまま選挙者は票を入れることになります。立民と国民は、「反自民」だけが共通して、具体的な政策では大きく違います。「立民に入るか国民に入るか他の会派に入るかあるいはどの会派にも入らないのかは、どうでもいいです。あなたに任せます」。なんとおおらかな国民が多いのでしょうか。「自民党でなければそれだけで良い、日本がどちらに向かおうか、知ったことではない」。私には不可思議です。
 

 さらに、
 
===== 引用はじめ
 国民民主党の玉木雄一郎代表が25日のインターネット番組で「私は生まれ変わった。憲法改正議論は進めていくし、安倍晋三首相にもぶつける」と改憲論議に積極的な姿勢を示し、党内に波紋を広げた。改憲勢力ではない同党としては「勇み足」の発言とも言え、…
===== 引用おわり
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190726/k00/00m/010/310000c
 
 立憲民主党の議員も含めた大方の意向を無視して、一人で憲法審査会を拒否し続けた枝野氏の考えと相容れるわけがありません。
 

 いろいろな意見があるのは当然でしょう。それを前提として、よく議論して日本の方向を決める義務が国会議員にあると思います。それ以前のところで、全面委任で自分たちに投票せよという。当選すれば、私は勝手に動きます。「アウト!」でしょう。
 

(**) 御参考
===== 引用はじめ
 そもそも「会派」とは?
 議員の所属「政党」と「会派」。この両者について普段政治に縁遠い一般国民にはわかりづらいかも知れないので簡単に解説する。
 政党とは、政治目的を共有する結社・集団のことで、党員によって構成される。原則として、党員には誰でもなることができ、党員の中から党首が選ばれる。
 会派とは、議会内における議員のまとまりであり、議員のみによって構成される。多くの場合は所属政党ごとに形成されるが、複数の政党が合同で会派を組むことも可能。また、同様に無所属議員が合同で一会派を組むこともある。
 わが国における議会活動は、会派単位で行われることが多い。議員は当選後所属会派を届け出、その人数によって委員会などの割り当て人数が決定される。その他、様々な便益が会派ごとに提供されることもあり、いずれの会派に所属するのかは議員にとって極めて重要だ。
===== 引用おわり
https://www.sejp.net/archives/3441
 

<出典>
参院選野党統一候補の行き先 立民と国民で綱引き
産経新聞(2019/07/27)
https://www.sankei.com/politics/news/190726/plt1907260022-n1.html

2019年7月30日火曜日

(1680)  日本を発信(1)  Traveling the San’in: Orochi and the Mythical Origins of the Sword

 『[山陰の旅]オロチと日本刀の神話』

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(K0821)  高齢期の引きこもりを考える(5) 居場所の落とし穴 <社会的健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0821-5.html
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 日本刀のルーツを探る「山陰の旅」について紹介しよう。
 
 執筆したのはいずれも英国出身の日本刀専門家、ポール・マーティン氏だ。大英博物館の元学芸員で、現在は、外国人では初の日本刀文化振興協会(NBSK)評議員を務める。ジャポニスム振興会(本願寺)の日本刀文化マイスターにも任命された。
 
 同氏の旅は、神話の舞台となり、「神の国」と呼ばれる山陰地方の島根県にある日本最古の神社のひとつ、出雲大社を訪ねるところから始まる。
 
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 同氏は出雲大社の祭神、大国主神が陰暦十月に合わせて毎年全国から八百万(やおよろず)の神々を集め、歓迎する「神迎祭」に参列した。「式典は日没した直後に火を灯して行われ、神々が海から訪れる道を導く。神々の到着の瞬間が近づくにつれて徐々に緊張感が高まり、太鼓と龍笛で神道音楽が演奏される」と記している。
 さらに、「オロチ」と呼ばれる石見神楽の演目にも立ち会い、「幻想的で、感動的な公演だった」と感想を述べている。
 これは、神スサノオが八頭八尾の龍蛇、ヤマタノオロチと戦い、その尾のひとつから神聖な刀を発見したという物語だ。その刀は、天皇から天皇へと受け継がれ、後に草薙剣(くさなぎのつるぎ)という名前がつけられ三種の神器のひとつになった。


 ヤマタノオロチの尾から刀が発見されたという神話も、鋼鉄や刀の秘密を解くための隠喩(いんゆ)と考えられていると指摘する。
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 第2話で筆者は、伝統的な日本の鉄鋼、「和鉄」の生産拠点だった島根県雲南市周辺を訪ね、鋼を製錬する「たたら吹き」について学ぶ。
 
 最終回の第3話では、鎌倉幕府執権の北条義時との争いに敗れた後鳥羽上皇が島流しとなり、余生を過ごした隠岐島が舞台だ。
 

<原文>
英語は、こちら
日本語は、こちら
 

<出典>
刀と神話、人気の理由は
【JAPAN Forward 日本を発信】 産経新聞(2019/07/29)
https://www.sankei.com/life/news/190729/lif1907290005-n1.html


2019年7月29日月曜日

(1679)  各党議席獲得数(参院選 2019/07/21) / 無所属統一

 
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(K0820)  思うように動けない(再春館製薬所) <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0820.html
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 今回の選挙では、諸派・無所属が12人と、新聞各社の予想よりずいぶん上回りました。

当選者の内訳は、
  諸派(3人)は、「れいわ」が2人、「N国党」が1人
  無所属(9人)は、「無所属統一」が8人、「無所属」が1人
 

「無所属統一」とは、

===== 引用はじめ
 参院選(21日投開票)で立憲民主、国民民主、共産など野党5党派が改選1人区で擁立した無所属統一候補の当選後の所属政党が注目されている。今回は18人が政党名を掲げずに出馬し、もともと所属していた政党の政策や理念を前面に訴えない候補もいる。ただ、過去には当選直後に出身政党に戻るケースもあり、「新手の政党ロンダリングだ」と指摘する与党幹部もいる。

 野党候補の乱立で政権批判票の受け皿が分散し、与党を利することを防ぐためだ。18人の無所属候補のうち、国民民主党が立候補を主導したのは8人で最多を占める。立憲民主党と共産党は2人ずつだ。

 なぜ無所属で選挙に出すのか。一つは政策や理念の違いを覆い隠す「看板」として利用されている側面がある。
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/politics/news/190705/plt1907050025-n1.html
 

 無所属統一として立候補したのは18人で、当選したのは8人でした。当選後、彼らはどの会派に属するか予想した結果、「国民」4人、「立憲」3人、「沖縄の風」1人でした。
参照したデータは、
https://www.sejp.net/archives/3441
 

 新聞予測は、どう読み違えていたか。

 諸派は3人当選しましたが、予測としては、毎日が「1~3人」、読売と朝日が「0~2人」、産経が「0~1人」でした。
 無所属は9人当選しましたが、予測としては、産経と毎日が「5~10人」、朝日と読売が「3~8人」でした。
参照したデータは、
https://www.sankei.com/politics/news/190719/plt1907190036-n1.html
 
 新聞予測で難しかった(予想が分かれた)のは、新潟県と大分県でした(添付図参照)。今回は、産経新聞の調査が当たっていました。
参照したデータは、
https://note.mu/miraisyakai/n/ne3b0bb147f06

2019年7月28日日曜日

(1678)  過去を忘れる方法

 
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(K0819)  高齢期の引きこもりを考える(5) 高齢期からの引きこもり <社会的健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0819-5.html
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 「他人と過去は変えられない」とはいうものの、他人のことが気になるし、過去のことが思い出されてしまいます。
 
 人それぞれ、工夫して対処しているのでしょう。次も、一つの対処方法だと思います。
 
 
■ なぜ嫌な記憶は忘れられないのか!?

===== 引用はじめ
 昔経験した辛かったこと、悲しかったこと、嫌な出来事が突然何の前触れもなしに、ふっと頭をよぎることはありませんか? これらの記憶は忘れようと思うと強く意識されてしまい、かえって忘れられなくなります。
 また、辛かった過去の出来事が心理的に未完了である場合、怒りや悲しみが解決されていないわけですから、記憶が定着してしまいます。しかも、怒りが強ければ強いほどより鮮明に記憶されてしまいます。
===== 引用おわり
 

■ 辛くて悲しい経験を忘れる方法とは!?

===== 引用はじめ
 出来れば永遠に思い出したくない嫌な記憶を忘れるには、あえて紙などに書いて記憶します。そして、あなたが自分の心にフタをして、感じないようにしていた気持ちや、本当に言いたかったことを、紙に書くのです。
 紙に書くことによって、脳は、「すでに記録されたので、無理して記憶しなくても大丈夫」と安心しきってしまうので、比較的早く忘れることができます。さらに簡単な方法があります。
 嫌な記憶をいちいち思い出すことを止めましょう。たったこれだけです。「ふっ」と思い出したら、「知らない、知らない、関係ないです。」とつぶやいてみましょう。早く忘れられます。また、何か別のことに集中して、思い出す暇をつくらないことも大事です。
===== 引用おわり
 


 上の方法を実行して、それでも過去を忘れられないなら、何か特別の理由があるのでしょう。本人が、意識的あるいは無意識的に、「過去を忘れてはいけない」「過去を忘れたくない」と強く思っているのではないでしょうか。その場合は、第三者から無理に働きかけることはできません。
 
 本人が「過去を忘れてもよい」「忘れよう」と思うまで、待つしか、方法がなさそうです。本人は苦しそうですが、一緒に苦しむ以上のことは、できないように思います。
 


 ところで、私の場合は、忘れられない以前に覚えていないようです。
 
 辛いこと、悲しいことなどは、その場で抽象化してしまい、生々しい記憶や湧きおこった感情は、置き去りにしているのかなと思います。結果的に私は過去については悶々と悩むことが少なく、そこで消費されるエネルギーを、他の、私が価値あると思っている方へ、向けていると思います。これが良い事なのか悪い事なのか分かりませんが、結果的には、私が幸せになれるよう、エネルギーをコントロールできていると思います。
 


 忘れてはいけない過去・忘れてよい過去については、後日、改めて書きたいと思っています。


<出典>
Face Book 「おすすめのストーリー 魂を揺さぶる言葉たち」 79 23:00 ·

2019年7月27日土曜日

(1677) 「しあわせポケット」

 
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(K0818)  認知症の方にとって「心地いい」認知症カフェにするには <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0818.html
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  美味しいものをたべて幸せだな
  友達とおしゃべりして幸せだな
  音楽を聴いて幸せだな
  旅に出て幸せだな
 
 

 幸せだなと思わせてくれるものに「しあわせポケット」という名をつけてみた。あらためて考えると、人によってずいぶん差がありそうだ。
 
 どこにでも首を突っ込んで楽しそうにしている人は、たくさんの「しあわせポケット」をもっている。

 「何をしてもつまらない」と言っている人には、「しあわせポケット」がない。
 
 人の「しあわせ感」は、この「しあわせポケット」の量(個数)と質(深さ)とに関係しているような気がする。

2019年7月26日金曜日

(1676)  各党予測議席獲得数(参院選 20190721) / 勝ったのはどの党か

 
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(K0817)  高齢期の引きこもりを考える(4) 引きこもりたくて引きこもっているのではない <社会的健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0817-4.html
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(1)  新聞社予測よりも良かったのか、悪かったのか

 新聞5社(産経・FNN、朝日、毎日、読売、日経)は、範囲で予測していましたが、その最大値と最小値の平均を、(1673)で示しました。5社の予測値を平均したものを、一つ目の添付図の中の「表① 新聞社予測よりも良かったのか、悪かったのか」に、結果と共に示します
 
A)   新聞社予測より悪かった
 立民(△4.5人)、共産(△2.2人)、自民(△2.2人)

B)   新聞社予測より良かった
 諸派・無所属(4.5人)、維新(1.9人)、公明(1.3人)、国民(0.8人)、民社(0.4人)
 左右両端が減って、中間的な政党が、新聞予測より良かったということになります

C)   改憲派としてみると
 自民(△2.2人)は減ったが、維新(1.9人)、公明(1.3人)がカバーした

D)   反改憲派としてみると
 立民(△4.5人)は減ったが、諸派・無所属(4.5人)、国民(0.8人)がカバーした。当選した無所属9人のうち8人は無所属統一だった
 

(2)  6年前、3年前と比較してどうだったのか

 無所属で当選した議員の多くは、当選後どこかの会派に属する。6年前、3年前と比較するために、当選後所属会派を予想した(2枚目の「表② 無所属統一候補の当選後所属会派予想」)。それを反映させたのが、(1枚目の「表③ 当選後所属会派予想で結果を調整」)。結果(調整後)【今回】、非改選【3年前】、改選【6年前】を一つにまとめたものが(1枚目の「表④ 勢力分布の推移(実数)」)。合計が違うので、欠員を除いた上で構成を見たのが(表⑤ 勢力分布の推移(構成))。それを折れ線グラフで示したのが三つ目の添付図。さらに今回と3年前・6年前とを比較したのが(表⑥ 勢力分布の比較(構成))
 
A)   「╱」型 増え続けている
 立民(7.8% → 12.4% →16.1%

B)   「╲」型 減り続けている
 自民(56.9% → 46.3% → 46.0%)  3年前と今回は僅差

C)   「∪」型 3年前に減ったが、今回は増えた
 維新(6.0% → 5.0% → 8.1%)。共産(6.9% → 5.0% → 5.6%

D)   「∩」型 3年前に増えたが、今回は減った
 国民(6.9% → 12.4% → 8.1%)。公明(9.5% → 11.6% → 11.3%
 

(3)  立民は、勝ったのか負けたのか
 明らかに勝っているのに気勢が上がらないのが立民。

 ○ 「参院選では議席倍増(9議席から17議席に伸びた)という結果が出た。衆参両院ともに野党第一党として、さらに大きな責任を負うことになった」(枝野幸男代表)

 × 党幹部は投開票日直前、「選挙区・比例代表合計で20議席は固い」と踏んでいたが、蓋を開ければ、有名弁護士や元アイドルら目玉候補は軒並み落選。比例得票数も29年衆院選の約1100万から約316万減の約791万に落ち込み、与党の土台は揺らぎもしなかった。

 期待が大きすぎて、そこに届かなかっただけのことではないか。党勢は、しつかり拡大している。
 

<出典>
顔色冴えぬ立民・枝野代表 参院選終え党内から不満。
産経新聞(2019/07/26)
こち



(1675)  ロジェ・カイヨワ『戦争論』(0) / 100分de名著

 
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(K0816)  認知症の人が輝ける場に <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0816.html
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 「100de名著」 ロジェ・カイヨワ『戦争論』が、85()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
講師は、西谷修(哲学者)
 


<全4回のシリーズ>  いずれも8

【はじめに】  人間にとって戦争とは何か
 
第1回  5日放送/ 7日再放送
  タイトル: 近代的戦争の誕生
 
第2回  12日放送/ 14日再放送
  タイトル: 戦争の新たな次元「全体戦争」
 
第3回  19日放送/ 21日再放送
  タイトル: 内的体験としての戦争
 
第4回  26日放送/ 28日再放送
  タイトル: 戦争への傾きとストッパー
 
 
【はじめに】  人間にとって戦争とは何か

 
 「戦争の終わり」は純然たる平和の回復になったのではなく、その「平和」は破滅の核戦争の予兆に曇った、「棚上げされた平和」だった。あるいは、恐怖で「凍結された戦争」だったのかもしれません。
 二十世紀の戦争は「世界戦争」であり、あらゆる人びとの生存を巻き込む人類的な体験だった。もはや戦争は単に国家の問題でもなく、また軍人や政治家だけの問題でもなく、われわれ万人にとっての、あるいは人類にとっての問題だとカイヨワは考えたのです。
 
 「戦後」はすぐに「冷戦」の状況に入ります。人間は懲りずにまた戦争をする姿勢を崩さない。これはほとんど人間の性な(サガ)のではないか。カイヨワは、一般的な政治的考察や歴史的考察ではなく、人間とその社会の本質に、どうようもない「戦争への傾き」があると考え、それを見つめて、人類の行方を考えようとしました。
 カイヨワは、軍事的な戦略や国家の政策の良し悪し、あるいは人間の善悪の問題としてではなく、人類学者・社会学者の視点から戦争を考えました。集団としての人間の「あり方の問題」として、人間とはこういうものだと、いったん受け止める。そして戦争を、総じて人間の文明そのものと不可分の事象として扱います。そのようにして書かれた本が『戦争論』なのです。


<出典>
西谷修(2019/8)、ロジェ・カイヨワ『戦争論』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


2019年7月24日水曜日

(1674)  過去を忘れるということ

 
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(K0815)  高齢期の引きこもりを考える(3) 引きこもりの善悪 <社会的健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0815-3.html
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 「時間経過を伴う因果関係」というものがあると思います。

  必死に勉強したから、入学試験に合格した
  勉強をさぼったから、入学試験で不合格だった
 
 ありえることだと思います。三つのことが言えるのではないでしょうか。
 

1.   「時間経過を伴う因果関係」というものが存在する
 
2.   その因果関係は、確率論的・相対的に存在する

2.1.  確率論的:必ず成り立つわけではない。必死に勉強しても(難関校に)不合格になることもあるし、勉強をさぼっても合格することもある
2.2.  相対的:「より多く勉強すると、合格できる可能性は高くなる」ということは言えるだろう
 

3.   選択性がある場合とない場合がある

3.1.  現在から未来へ:現在、必死に勉強するか、しないかは、自分で選択できる。自分で選択することにより、自分の未来を変えていく余地がある
3.2.  過去から現在へ:過去に勉強したかしなかったことを現在に至っては変えることができない。従って「時間経過を伴う因果関係」を逃れることはできない
 


 別の例を挙げます。我が家の庭には小さな畑があるのですが(「畑」というほどのものでなく、空いている狭い土地に花を植えている程度)、猫が侵入して荒らします。そこで猫が侵入できないようにネットを張りました。ある時、ネット近くにいた猫を威嚇したら、猫はネットに突進し、絡まって、もがけばもがくほど逃れなくなりました。そこで絡まりを解いてやり、猫を逃がしました。それ以来、猫はネットに近づかなくなりました。

 私は、猫が「過去の経験から学び、身を守っている」と解釈しました。「あそこに行くと危ないぞ」と「学習」したため、ネットに追い詰められることがなくなったのです。
 

 過去の記憶を保持することは、役に立つのか? ――- 過去の記憶から学習し、その学習したもののみが役立つと思います。
 
 「過去にネットに絡まって怖い思いをした」という経験そのものが役立っているのではなく、「あそこに行くと危ないと学習した」ことが役立っています。
 
 そして、「過去にネットに絡まって怖い思いをした」という恐怖を伴う生々しい記憶は、現在・未来に生きて行くのに、マイナスの作用を与えます。何かをしようとすると恐怖心が蘇り、動けなくなってしまうこともあります。
 

 忘れてはいけない過去の経験もあるかもしれませんが、否定的な経験は、忘れてよい、あるいは忘れたる方がよいことが、多くあると思います。否定的な経験を抽象化して、「学習」「教訓」として残せば、忘れて良い、忘れた方が良いことが多くあると思います。
 
 勉強をさぼって不合格だった悲しさを今に引きずると悪い作用をしますが、「合格するには勉強しなければならない」という教訓に変われば良い作用をします。元々は悲しい過去でも、今の私を生かしてくれます。
 
 心がどこに向かうかが大切。未来に心が向かうと、結果として、過去に向かわなくなると思います。過去を「意図して忘れる」のではありません。過去は「こころならずも忘れてしまう」ものだと思います。

2019年7月23日火曜日

(1673)  各党予測議席獲得数(参院選 2019/07/21) / 評価・分析(1)

 
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(K0814)  認知症新大綱 「予防」に対する抵抗 <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0814.html
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 参院選が終わりました。(1670)で各党議席獲得数を予測しました。予測したのは、産経・FNN(以下単に「産経」)、朝日、毎日、読売、日経、及び藤波3通り。
 
 評価結果は、残念ながら、藤波予測の一つが3位に食い込むに終わりました。読売、毎日の予測には負けました。

第1位 読売
第2位 毎日
第3位 藤波(1)
 
 トップを狙った藤波(3)は一部読み間違えて不発。ただ、読み間違えても、さらに下に産経と日経がいる。。。あさましい自己弁護でしょうか。
 


考察

(1)  読売<1>:第1位の読売は、各党議席獲得数の予測に大きな外れがなかったが、「諸派・無所属」は外れました(予想:6.63。結果:12
 
(2)  毎日<2>:その「諸派・無所属」で最も実際に近かった(予想:9.58。結果:12)のが第2位の毎日です。「自民」も的中しました(予想56.96:。結果:57)。しかし、外れたのが「立民」でした(予想22.67:。結果:17)。
 
(3)  藤波(1)<3>:第3位は、5社の平均をとった藤波(1)です。平均をとっているので、大きな外れは出にくいのですが、同時に「穴馬」も狙えません。「諸派・無所属」「自民」の外れが大きいのですが、これは、新聞5社が同じ方向に大きな間違いをしていたため、引っ張られてしまいました。
 
(4)  藤波(3)<6>:勘を取り入れた藤波(3)は、残念ながら6位に沈みました。「立民」はそれほど増えないと読んで、それは正しかったのですが、もっと大胆に減らせばよかったです(予想:20.00。結果:17)。「立民」が減った分「共産」に行くと読んで「共産」を増やしたのですが、間違いでした(予想:10。結果:7)。実際には、「諸派・無所属」に流れたようです。「自民」が新聞予想よりも伸びると読んだのですが、間違いでした(予想:61。結果:57)。読売、毎日の「善いとこ取り」ができれば、好成績を収められたのですが、そこまでの慧眼はありませんでした。
 
(5)  日経<8>:日経は、藤波(3)と同じ傾向の間違いをしました。「諸派・無所属」(予想:6.66。結果:12)、「自民」(予想:62。結果:57)の間違いが藤波(3)より更に大きかったので、最下位に沈みました。
 
(6)  朝日<5>、産経<7>:朝日は「諸派・無所属」(予想:6.55。結果:12)、産経は「立民」(予想:23.19。結果:17)を大きく読み違え、下位に終わりました。


続く。
 
<出典>
「報道各社の各党予測議席獲得数」(産経新聞 2019/07/20
https://www.sankei.com/politics/news/190719/plt1907190036-n1.html

2019年7月22日月曜日

(1672)  水引作りに挑戦

 
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(K0813)  高齢期の引きこもりを考える(2) 老年引きこもり <社会的健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0813-2.html
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 水引作りに挑戦してきました。写真左側がその場で作ったもの。右側が家に帰ってからの復習。
 
 三本の水引(出来上がった全体だけでなく、材料の紙糸も「水引」と呼ぶようです)の順番が途中で狂わないことが大切なようなので、分かりやすい3色で作ってみました。同じようにピンクを真ん中にしたのですが、青と緑の位置が逆で、出来上がったものは、違うものになっていました。
 
 家に帰ってから、練習用にもらっていた3本の水引を半分に切り、6本で梅結びを作ってみました。

感想:
  6本の水引の順番を狂わせることなくとりあえずの形をつくるだけでも大変(作り方は、資料を見ればわかる)
  大きめに作って、絞り上げていったが、それも大変
  6本の水引の順番を狂わすことなく、張りや緩みがでないように横にきれいに並べないと、影ができて醜くなる。とりあえずできても、絞ろうとすると、狂ってしまう
  5枚の花弁の梅を作ったが、いびつになってしまった。前段階のあわじ結びの形がまずかったのだろう
 
御参考 作り方は、例えば
https://www.youtube.com/watch?v=m8rYcQaa37A


 アンケートで「水引の内職をしたいか」という項目があって、皆さんと苦笑。「時間かけて作っても、返品の山や !」


 

 私は行けないが、次回はグリーティングカードを制作するらしい。
818() 13:00-14:30 14:30-15:00 茶話会)
ゆうとぴあわーくす(神戸市須磨区 板宿)
参加費不明 (今日は、500円でした)
主催: Connect GOODness
メール: shin-shinnate@outlook.jp

 







2019年7月21日日曜日

(1671)  小松左京『小松左京スペシャル』(4-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K0812)  個人Blog 7月中旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0812-blog.html
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第4回  22日放送/ 24日再放送

  タイトル: 宇宙にとって知性とは何か--『虚無回廊』
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 


【テキストの項目】

(1)   小松SFの「未完の集大成」
(2)   二度の中断と途絶
(3)  『虚無回廊』の物語構造
(4)  「実存」は実在するのか?
(5)  「一般自然言語」
(6)  “SS”の設定の原型
(7)   目的論と知性体原理
 


【展開】

(1)  小松SFの「未完の集大成」

 『虚無回廊』は、未完結ながらイマジネーションを極限近くまで伸張させ、壮大な宇宙進化史を仮構してみせた集大成的な作品です。
 「思考過程一般において、イメージやイマジネーションがまったく使われないということは――特にそれが、未知、未踏の領域にむかう創造的な思考の場合には――人間の意識の本質からいって、あり得ないことである」(小松)
 

(2)  二度の中断と途絶

 『虚無回廊』は、足掛け15年の歳月を費やして書き継がれます。その途中で執筆が2度中断しています。一度目は大阪『国際花と緑の博覧会』(花博)の総合プロデューサーの一人となったとき、二度目は連載媒体だった月刊誌『SFアドベンチャー』の季刊化と路線変更に伴うものでした。その後、阪神淡路大震災が起こり、最終行に「完」の文字を付さないままに、小松は鬼籍に入ってしまいました。
 

(3)  『虚無回廊』の物語構造

 物語の“骨格”の単純性とは裏腹に、いわば“肉置き(シシオキ)”の方は実に豊かです。“SS”やAEをはじめ、舞台や状況、登場するキャラクター、歴史的背景、理論的装置などの諸設定について詳細に証明される。極めて特殊で容易に想像できない事象も多く、丁寧な解説が施されています。
 

(4)  「実存」は実在するのか?

 チベット仏教ゲルク派の高僧タロ・ダキニ師との問答の後、遠藤秀夫(作中の人物。若き天才人工知能開発者)は「ひょつとすると、“実存”という考え方そのものが、根本的にまちがっているのかも知れない…」という疑を抱きます。
 なお、ゲルク派は、チベット仏教の大成者ツォンカパを開祖とする主流宗派で、中観哲学という洗練された「空の思想」を伝持しています。
 

(5)  「一般自然言語」

 太陽系外の天体から訪れた彼らとコミュニケーションを取る理論装置として導入されたのが「一般自然言語」でした。天才ミシェル・ジェランの音楽と言語、両方の才能が遺伝子コード読解の能力を開花させていきました。彼には「宇宙における普遍的な言語の存在」が、“見えた”のです。
 

(6)  “SS”の設定の原型

 私たちの属している「実宇宙」とは別に、「宇宙構造のごみ捨て場」のようなところから始まり、独自の進化を遂げた「虚宇宙」が存在します。その「虚宇宙」の内進化の成果の一つが“SS”だというのです。“SS”は二つの宇宙が“交通”するための「通路」のような構造体なのではないか…。
 なお、“SS(Super Structure)”は、地球から5.8光年の距離に突如出現した、長さ2光年、直径1.2光年という驚異的スケールの円筒形の物体のこと
 

(7)  目的論と知性体原理

 小松左京の進化観は非常に目的論的だと指摘されることがあります。進化論に留まらず、宇宙観、実存観全体が一種の目的論によって貫かれていることは疑い得ないでしょう。
 また、小松SFで知性体は人間に限定されていないので、「知性体原理」といった新語を立てるべきかもしれません。
 小松SFは「現代の神話」と位置付けられます。
 


<出典>
宮崎哲也(2019/7)、小松左京『小松左京スペシャル』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)