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(K0668) シニアの採用 積極的な企業 <高齢期の仕事>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/02/k0668.html
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3月の「100分de名著」「夏目漱石スペシャル」が、3月4日(月)から始まります。Eテレ。
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
講師は、阿部公彦(東京大学教授)
<全4回のシリーズ> いずれも3月
【はじめに】 夏目漱石と「出会う」ために
第1回 4日放送/ 6日再放送
タイトル: 『三四郎』と歩行のゆくえ
第2回 11日放送/13日再放送
タイトル: 『夢十夜』と不安な眼
第3回 18日放送/20日再放送
タイトル: 『道草』とお腹の具合
第4回 25日放送/27日再放送
タイトル: 『明暗』の「奥」にあるもの
【はじめに】 夏目漱石と「出会う」ために
作品と本当に「出会う」にはどうしたらいいのでしょう。
小説を読むというのは、全身的な行為だと私(著者:阿部)は思っています。頭や感情ももちろん関係する。しかし、体も忘れてはいけない。胃腸や、呼吸や、背骨も大事。感触を味わい、文章のリズムに身を委ねたい。笑ったり、ツッコミを入れたり、顔をしかめたり。場合によってはぜえぜえあえいだり、踊りだしたり、地団駄踏んだり。
…
漱石は全身を使って読むに値する作家なのです。
漱石はわずか12年という短い作家生命の間に、15の長編作品と3つの短編集、そして評論と随筆を世に送り出しました。これらの作品の文体はすべて異なりますし、読書が受け取る文章の感触も違います。
紹介される本は、4冊です。
『三四郎』は、漱石が職業作家として、近代小説を自分の方式で洗練させようとした最初の作品です。近代小説という輸入物の様式をはじめて本格的に使ってみた。
『夢十夜』は、輸入物の近代小説を受容した『三四郎』のスタイルとは逆に、むしろそこからの逸脱を目指している作品に見えます。
『道草』は、漱石と対立すると考えられていた自然主義リアリズム小説の一派に対する、一種のジェスチャーと読める作品。「俺だって自然主義をやれるぞ」とばかりに、どちらかというと自然主義に近い書き方をしている。
『明暗』は、漱石の絶命によって未完に終わった遺作。とにかく心理のからみあいが濃厚で、スパイ小説のような趣きさえあります。
<出典>
阿部公彦(2019/3)、夏目漱石スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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