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(K0646) すまコミュニティビジネス大学(3) 「夫源病」経由「定年離婚」 <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/02/k0646-3.html
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1.
どんな本か
2.
あらすじ
3.
島崎藤村の『破壊』に触発された
4.
下村抱月が絶賛した
5.
後世に影響を与えた
5.1. 正宗白鳥5.2. 志賀直哉
5.3. 私小説の始まり
6.
現代的意義
【展開】
1.
どんな本か
有名作家の手による赤裸々なざんげ録として文壇を騒然とさせた中編小説は、「個」を探究する日本の自然主義文学を代表する作品となった。
2.
あらすじ
地理書を編集する傍ら文学を手がける主人公の作家・竹中時雄と、押しかけ同然で上京してきて彼の内弟子となった裕福な女学生・横山芳子。新婚当時の熱もさめ、単調な生活にうんざりしていた時雄は美貌の芳子に恋をするが、彼女に大学生の恋人ができてから苦悩の日々が始まる。嫉妬に胸を焦がし泥酔しては妻や子に当たる。2人の関係の深さを知ろうと手紙まで盗み読む始末。分別ある師としての立場を意識はしても肉欲は消せない。醜悪な内面を暴いていく物語は、芳子のにおいが染みた寝具に顔をうずめる時雄が涙を流す有名なシーンで幕を閉じる。
3.
島崎藤村の『破壊』に触発された
自然主義文学の先駆となる島崎藤村の『破戒』が刊行されていた。その成功にも触発され、〈打ち明けては自己の精神も破壊されるかと思われるようなもの〉(『東京の三十年』)を出す覚悟で書き上げたのが、自身と弟子である作家・岡田美知代の関係を下敷きにした『蒲団』だった。
4.
島村抱月が絶賛した
評論家の島村抱月は「早稲田文学」誌上で〈自意識的な現代性格の見本を、正視するに堪えぬまで赤裸にして公衆に示した。これがこの作の生命でまた価値である〉と絶賛した。
5.
後世に影響を与えた
5.1. 正宗白鳥
小説家で評論家の正宗白鳥は大正4年の「中央公論」誌上に〈知らず知らずみんながかぶれて、多くの作家がわれがちに自己のもっている「蒲団」式の小説を書き出した〉と記している。5.2. 志賀直哉
自分の体験を描いていくことに文学の価値はある-。そういう考えは作家の心境を淡々とつづる志賀直哉らの『心境小説』などにも受け継がれた
5.3. 私小説の始まり
この作品が体験の描写や心境の吐露を重視する日本特有の私小説の始まりとも言われる
6.
現代的意義
ヒロインの芳子は蒲団にも痕跡を残すほどの強い身体性を持った魅惑的な女性。社会で良いとされる振る舞いはしないし、隙あらば新しい居場所を見つけようとする。そのエネルギーと痛々しさは、現代の人々でも共感できる魅力を放っている
【プロフィル】田山花袋(たやま・かたい)
明治4年、現在の群馬県館林市に生まれる。尾崎紅葉、江見水蔭(えみ・すいいん)の指導を受け、小説や詩を執筆。次第に創作における客観的態度を重視するようになり、文芸雑誌「文章世界」を拠点に自然主義運動を推進。小説『蒲団』で、島崎藤村と並び日本の自然主義文学の代表的な作家となる。代表作に『生』『田舎教師』などがある。昭和5年、喉頭(こうとう)がんで死去。
<引用>
田山花袋『蒲団』 私小説へ連なる「大胆な告白」【明治の50冊】 産経新聞(2019/01/21)
(42)田山花袋『蒲団』 私小説へ連なる「大胆な告白」
https://www.sankei.com/life/news/190121/lif1901210016-n1.html
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