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2019年12月31日火曜日

(1834)  呉兢『貞観政要』(1-1) / 100分de名著

 
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第1回  6日放送/ 8日再放送
  タイトル: 優れたリーダーの条件
 
【テキストの項目】

(1)   名君誕生のいきさつ
(2)   李世民を支えた臣下たち
(3)  『貞観政要』の成立
(4)   君主は寄生階級にすぎない
(5)  「自分はわかっている」と過信しない
(6)   明君と暗君の違い
 
(7)   耳の痛い話こそ聞け
(8)   人の器は大きくならない
(9)   リーダーとは「機能」である
(10) 上司は部下の権限を代行できない
(11) 優れたリーダーは「器」をゼロにする
 
【展開】

(1)  名君誕生のいきさつ
 唐を建国したのは、李淵(リエン)です。建国にあたって功績があったのは次男の李世民(リセイミン)でした。皇太子の地位も弟によって奪われかねないと危惧した長男李建成(リケンセイ)は、李世民を殺害しようと計画しました。その動きを察知した李世民は、先手を打って兄李建成を殺害、父李淵を軟禁し、第二代皇帝に即位しました。この汚名を返上するため、李世民は「優れた皇帝になる」と決意しました。
 
(2)   李世民を支えた臣下たち
 李世民は皇帝として国を治めるにあたり、有能な臣下を数多く登用しました。唐の諸制度をつくり上げた房玄齢(ボウゲンレイ)、政治や軍事面で力を発揮した杜如晦(トジョカイ)、諫言を仕事とする「諫議大夫」という役職に就いた魏徴(ギチョウ)。その行動の根本原理を見て、李世民は魏徴を重用しました。魏徴が李建成に仕えていたとき、李世民を殺害するよう進言していたにもかかわらず。
 
(3)  『貞観政要』の成立
 『貞観政要(ジョウガンセイヨウ)』は、李世民の死後50年あまり経ったとき、呉兢(ゴキョウ)という歴史家によって編纂されました。全1040編で構成されています。李世民が設けた「史館(シカン)」(歴史を記録する役所)の記録を基にしたのでしょう。内容は、おもに李世民とその臣下による問答から成っています。また、比喩表現が巧みなことも特徴のひとつと言えるでしょう。
 
(4)   君主は寄生階級にすぎない
 君主の道として、人民に恩恵を施さなければならない。もし、[重税を取り立てなどして]人民をむごく苦しめて、君主の身[の贅沢な生活]にあてるのは、ちょうど自分の足の肉を割いて自分の腹に食わすのと同じである。満腹したときには、その身が死んでしまう。人民が生産階級だとすれば、君主(リーダー)は、人民に頼るしかない寄生階級なのです。
 
(5)  「自分はわかっている」と過信しない
 太宗のように謙虚であり続けることは、いかに自分をコントロールするかにつながります。そのために、①大きなハンディキャップを持つ(プレッシャーに常にさらされることで自分を抑えられる)、②運命を受け入れるという一種のあきらめを持つ、③周囲が寄ってたかって「あかん、あかん」と言い続けてくれる仕組みをつくる
 
(6)   明君と暗君の違い
 明君と暗君の違いを問われた魏徴は、次のように答えました。「君が明らかである理由は、多くの人の意見を聞[いてその良いものを用いる]からであります。その暗い理由は、一方の人の言うことだけを信じるからです」。リーダーに求められるもの、それは、相性の悪い人や嫌いな人、耳の痛いことを言う人の意見にこそ耳を傾け、それを正面から受け止める姿勢なのです。


 
 以下は、後日書きます。
(7)   耳の痛い話こそ聞け
(8)   人の器は大きくならない
(9)   リーダーとは「機能」である
(10) 上司は部下の権限を代行できない
(11) 優れたリーダーは「器」をゼロにする
 
<出典>
出口治明(2020/1)、呉兢『貞観政要』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

 

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