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2019年12月7日土曜日

(1810)  ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(2-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K0951)  センサー付きカメラで安全確認 / 高齢者の見守り(4) <見守り>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/12/k0951-4.html
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グルーシェニカに3000ルーブルを渡そうとしているフョードルを殺害しようと、ドミートリーが踏み込んでくるかもしれないと、スメルジャコフはイワンに告げた。しかし、イワンは二階で様子を見ているだけ☆☆

第2回  9日放送/ 11日再放送


  タイトル: 神は存在するのか
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 
【テキストの項目】

(1)  少年たちと知り合う
(2)  脇役に見る時代の病
(3)  プロとコントラ
(4)  ロシアの『カンディード』を書く
(5)  「大審問官」と二つのキス

(6)  罪をとおしての浄化、そして恭順
(7)  謎の訪問客
(8)  事件を予告するスメルジャコフ
(9)  分裂した男イワン
 
【展開】
(1)  少年たちと知り合う
(2)  脇役に見る時代の病
(3)  プロとコントラ
(4)  ロシアの『カンディード』を書く
(5)  「大審問官」と二つのキス
 以上は、既に書きました。
 
(6)  罪をとおしての浄化、そして恭順
 修道院に戻ったアリョーシャは、すでに瀕死の状態にありながら穏やかな表情を浮かべるゾシマ長老から、他の修道僧たちとともに最後の説教を聞きます。
 人はさまざまな出会いや経験をとおして自分の罪を自覚し、その自覚をとおして罪は浄化され、最終的に個人として恭順すなわち人格的な完成に至る。…
 
(7)  謎の訪問客
 第6編には、この「回心」のエピソードに続いてもう一つ、魅力的なエピソード「謎の訪問客」が記されています。
 人を殺した経験のある慈善家が、若いゾシマの評判を聞きつけ、長年抱えていたその苦しみを告白しよう度訪問します。 …
 
(8)  事件を予告するスメルジャコフ
 スメルジャコフはイワンに告げました。
 「フョードルはグルーシェニカのためにひそかに三千ルーブルを用意していて、それを奪うためドミートリーがここに踏み込んでくるかもしれない、グルーシェニカは財産目当てでフョードルと結婚する可能性が高い」
 「そうとなったあかつきに、仮にお父上がなくなられたりしますと、ドミートリーさまはおろか、あなたさまや弟のアレクセイさまの手元には、ほんとうにびた一文残らないことになるわけです。 … で、そういうことが起こらないうち、ぽっくりお父上が逝かれることになれば、逆にあなたがたお一人お一人には、すぐにも四万ルーブルずつの金が確実に入るわけです」
 
(9)  分裂した男イワン
 第2部のラストで鮮明に浮かび上がってきたのが、イワンがその深層において幾重にも引き裂かれた人間だったということです。理性的な存在としての自覚と、無意識の欲望に蝕まれた自分を同時にさらけ出しました。カラマーゾフ家の遺産相続をめぐるスメルジャコフの一言によって顔が真っ赤になるほど動揺しました。
 イワンは、スメルジャコフの話から、フョードルがグルーシェニカの訪問をいまや遅しと待ち受けている、それを阻止しようとドミートリーがやってきて父親を殺す、その可能性があることを知っています。ところが、父親が死ぬかもしれないと知りつつ、彼はそれを阻止すべく行動を起こしません。
 結論を言うと、この夜、フョードルは何者かに殺害されることになります。
 
<出典>
亀山郁夫(2019/12)、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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