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2018年9月25日火曜日

(1369)  女性医師と男性医師の比較の意義

 
      最新投稿情報
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(K0510)  心不全の緩和ケア <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/09/k0510.html
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 話題をもう少し、引っ張ります。
 
===== 引用はじめ
 津川氏の論文は、11~14年に米国の急性期病院に入院した65歳以上の患者約150万人の経過を分析。女性医師が治療した方が男性医師より入院後30日以内の死亡率や再入院率が低かったという内容だ。津川氏は「『男性医師の方がしっかり診るのではないか』という先入観が覆され、多く読まれたのだろう。女性医師が給与や昇進で不利益を被るような性別格差が縮むといい」と話す。
===== 引用おわり

日本人科学論文    「女性医師は男性より腕がいい」世界3位
https://mainichi.jp/articles/20171225/k00/00m/040/012000c

(1363)  医者にかかるなら女医さん
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/09/1363.html
 

 津川氏の論文は、「女性医師が治療した方が男性医師より入院後30日以内の死亡率や再入院率が低かった」という統計データを示しているだけで、それを読んだ私が「医者にかかるなら女医さん」と書きました。津川氏の言ったこと以上のことを私は言っており、津川氏が言っていることは正しいが、私の言っていることが間違っている可能性もあります。
 
 “『男性医師の方がしっかり診るのではないか』という先入観”が、次のようなことを引き起こしている可能性があるのではないか。入院した患者を重症と軽症に分け、重症な患者には「しっかり診る」男性医師に担当させ、軽症な患者には女性医師に担当させることが起きていないか。
 
 「男性医師の方がしっかり診る」が正しいと仮定すると、合理的な判断です。その結果として、「女性医師が治療した方が男性医師より入院後30日以内の死亡率や再入院率が低かった」ということは、十分起こり得ます。だからこの結果から、“「男性医師の方がしっかり診る」が間違っていた”という結論は出せません。
 
 津川論文は「医者にかかるなら女医さん」という可能性を示唆しているが、それが正しいと証明できている訳ではありません。肯定も否定もしていません。
 
 
 津川論文の意義は実はこういった点にあるのではなく、「女性医師が給与や昇進で不利益を被るような性別格差が縮むといい」という観点にあるのではないでしょうか
 
 “「男性医師の方がしっかり診る」が正しいかどう分かっていない”が本当のところだと思います。「分かっていないことが分かった」というのがこの論文の価値で、今後「分かっていない」ことを前提に物事を考えていかねばならないと思います。

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