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2019年8月15日木曜日

(1695)  映画『東京裁判』

 
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 映画『東京裁判』を観ました。4時間37分にわたる大作で、疲れて途中ウトウトしてしまいまとたが、観てよかったと思いました。「小林監督といえば、『人間の條件』六部作や『日本の青春』などを手掛け、反戦を訴え続けた“反骨”の名匠」だそうですが、特には偏った印象は受けませんでした。
 
 「アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムを5年の歳月をかけて吟味し、さらに国内外のニュース映像なども調査して素材をピックアップ」して、そこに解説を加えたものです。どこをピックアップし、どう解説を加えるかで、監督の思想を出すことはできるのですが、客観的な事実を積み上げる姿勢があり、「渾身の歴史的ドキュメンタリー」と言ってよいと思いました(首をひねる解説もありましたが、ほんの一部でした)。
 
 東京裁判については様々な意見があり、どのような考えを持つかは自由ですが、この映画を観てから発言していただきたいと思います。
 例えば、「靖国神社にA級戦犯が祀られているので…」とよく聞きますが、それが自己矛盾を含んだ荒唐無稽の論理展開であることは、映画を観れば容易に理解できます。
 あるいは例えば、「パール判決書」を「日本無罪論」として礼賛する人もいるようですが、彼はそんなことは言っていません。「ラダ・ビノード・パール(インド派遣) - カルカッタ高等裁判所判事。東京裁判では平和に対する罪と人道に対する罪とが事後法にあたるとして全員無罪を主張」(Wikipedia)。彼は「東京裁判」は「裁判」の体をなしておらず、法的には全員が無罪だと言っているだけで、道義的責任がないとは言っていません。ちなみに国際法に通じているのは、11人の判事の内パール博士のみであり、中には戦勝国からの代表というだけで法律も知らず、憎悪だけで発言しているような判事もいたようです。
 
 関心があるが映画は見られない方は、Wikipedia『極東国際軍事裁判』を読むとよいと思います。様々な視点からの様々な意見が紹介されています。ただ、予備知識がないと文章を読むだけでは分かりにくい所もあります。映画を観てからWikipediaを読むと、理解の深さが違います。
 
 「判事の個別意見」を読むと、真っ当な意見も随分あったようです(判決に反映されなかった)。
  「判決はイギリス、アメリカ、中華民国、ソ連、カナダ、ニュージーランド、フィリピンの7か国の判事による多数判決であった。判事団の多数判決に対して、個別意見書が5つ出された。同意意見としてフィリピンのハラニーニャ意見書、別個意見としてウェブ意見書、パル、ベルト・レーリンク、アンリ・ベルナールは反対意見書を提出した。極東国際軍事裁判所条例ではこれら少数意見の内容を朗読すべきものと定められており、弁護側はこれを実行するように求めたが、法廷で読み上げられることはなかった」


<出典>
東京裁判 作品情報
https://movie.jorudan.co.jp/cinema/11295/

Wikipedia『極東国際軍事裁判』

 
 

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