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(K0296) 身元確認サービス(徘徊・災害などに対応) <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/02/k0296.html
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目標&ポイント
===== 引用はじめ
「介護の社会化」を目指して、1997年に介護保険法が成立し、2000年4月から施行されている。介護保険制度の創設により、高齢者福祉サービスは措置から契約へと大きく舵を切り、利用者がサービスを選択し、契約に基づいてサービスを利用する仕組みに変化をした。家族の規模が小さくなる中で増大する介護ニーズを、公的な介護サービスや社会、家族がどのように担っていくのか。
本章では、介護保険制度の仕組み、介護サービス契約の特質、家族介護をめぐる課題について学ぶ。
===== 引用おわり
<構成> 第13章 縮小する家族と介護
1. 扶養関係と介護の社会化
2. 介護を支える社会保障3. 介護サービスをめぐる苦情相談と権利擁護
4. 家族介護者の支援
ここでは、「3.介護サービスをめぐる苦情相談と権利擁護」と「4.家族介護者の支援」について述べる
先ず、「3.介護サービスをめぐる苦情相談と権利擁護」
(1) 介護サービスをめぐる苦情相談
① 事業者との話し合いで解決する
社会福祉法や介護保険法では、事業者の苦情解決に対する取り組みを求めている
② 苦情相談
運営適正化委員会が各都道府県社会福祉協議会に設置されているほか、介護保険制度では、保険者(市区町村)、国民健康保険団体連合会の各主体が苦情相談に対応している。
③ 訴訟
こうした苦情解決の仕組みでも解決しない問題については、訴訟に発展する場合がある
(2) 介護事故をめぐる法的責任
① 介護事故の種類
多く発生している介護事故として、(a)転倒事故、(b)転落事故、(c)誤嚥事故、(d)褥瘡や院内感染など医療系の事故、(e)個人情報の流出など施設管理上の事故などに分類できる。
② 民法415条
事業者は適切な介護サービスを提供する義務があり、これを果たさなかったために事故が起こった場合、事業者側の安全配慮義務違反等により債務不履行責任が認められ、賠償責任が発生する。
③ 民法709条
利用者と直接の契約関係にない介護担当者の故意または過失により利用者に損害が発生した場合は、介護担当者の不法行為責任が問われることがある。
④ 民法715条
介護担当者の使用者である事業者の不法行為責任(使用者責任)が問われることがある
⑤ 刑法211条
介護事故で利用者を死傷させた場合、刑事上の責任として、業務上過失致死傷罪に問われることがある
(3) 権利擁護の必要性
① 外側から(1)
成年後見制度、日常生活自立支援事業
② 外側から(2)
専門家(例えば各地の弁護士会や社会福祉会等が行っている権利擁護センター)による、市民ボランティアによる、当事者同士による、権利擁護活動
③ 内側から
施設内のオンブズマン制度や苦情解決制度など
④ 第三者評価の仕組みの活用
個々の事業者がサービス提供の具体的な問題点を把握し、利用者の権利が常に尊重される介護サービスに結びつける
次に、「4.家族介護者の支援」
① 家族介護への依存
要介護者等からみた主な介護者の続柄をみると、「同居している人」が6割を占める。「老々介護」が多く存在している(添付図参照)。
② 介護離職
「介護離職」をする人の総数は1年間で10.1万人であり、女性の割合が8割を占める。年齢別にみると、男女ともに50代および60代の介護離職がそれぞれ約7割を占めている。
③ 間接的支援 : 在宅サービスとショートスティの量的・質的拡充など
介護保険制度の下では、家族介護者の介護負担軽減は、要介護者の介護サービス利用により間接的に実現されるものとされていた。
④ 直接的支援 : 介護休業
育児介護作業法の制定により制度化されているが、取得率の低さや取得期間の短さなど課題も多い。
⑤ ヤングケアラー
未成年者が家族介護者であるケースでは、介護を行う未成年者が自ら助けを求めることが難しく、学業への影響などが懸念される。
出典
原田啓一郎、「第13章 縮小する家族と介護」、川島志保・関ふ佐子、「家族と高齢社会の法」、放送大学教材(‘17)
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