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2018年9月2日日曜日

(1349)  (24) 国木田独歩『武蔵野』 / 「明治の50冊」

 
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(K0490)  地域コミュニティの現状 <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/09/k0490.html
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(1)  『武蔵野』とは
(2)   自然への向かい方
(3)   武蔵野の歩き方
(4)   武蔵野の美
(5)   雑木林の美
(6)   自然の描写法
(7)   音風景、美文
 

【展開】

(1)  『武蔵野』とは

===== 引用はじめ
 今年没後110年の国木田独歩。浪漫主義の小説、随筆、詩的散文ともされる独歩の代表作。
===== 引用おわり
 

(2)  自然への向かい方

===== 引用はじめ
 林で〈座して、四顧して、そして耳を傾け〉と自然に向き合う。
 林の奥に座して耳を傾け、黙想する。明治の文学青年の間でも流行(はや)ったそうですが、忙しい現代にこそ、そういう豊かな時間の過ごし方も学びたい(土屋忍教授・武蔵野大学)
===== 引用おわり
 

(3)  武蔵野の歩き方

===== 引用はじめ
 〈ぶらぶら歩(あるい)て思いつき次第に右し左すれば随処(ずいしょ)に吾らを満足さするものがある〉と武蔵野の歩き方も伝授している。
===== 引用おわり
 

(4)  武蔵野の美

===== 引用はじめ
 万葉集にも詠われた武蔵野という地名が日本人のDNAには懐かしく感じられ、失われゆくものの名残や面影を想(おも)うノスタルジーを喚起する。このタイトルの力も大きい(前出 土屋教授)。
 『日本文学大辞典』(新潮社)は〈都会人に始めて武蔵野の美を知らしめ〉たと指摘。
===== 引用おわり
 

(5)  雑木林の美

===== 引用はじめ
 従来、〈松林のみが日本の文学美術の上に認められて〉きたが、武蔵野のナラを中心とした雑木林の四季の変化など、落葉林の美、詩趣をつづった。
===== 引用おわり
 

(6)  自然の描写法

===== 引用はじめ
 ツルゲーネフ著、二葉亭四迷訳「あひゞき」の落葉林の描写に影響を受けたとする。
 独歩は、39年発表の「自然を写す文章」で、自然の描写法は〈見たまゝ、見て感じたまゝ…その量だけ〉でよく、〈こういふ景色であるから、美しいとかいふて断はることはいらぬ〉〈二二ンが四まで言はなくとも、『二二ン』だけで、あとの四は読者の判断にまかせ〉るべきだと強調した。
 〈細やかなる情感にうつたふる自然を清新に描き出した〉点で徳冨蘆花(ろか)の「自然と人生」とともに「明治文芸の双璧」(前出『日本文学大辞典』)。
===== 引用おわり
 

(7)  音風景、美文

===== 引用はじめ
 「鳥の羽音、囀(さえず)る声。風のそよぐ、鳴る、うそぶく、叫ぶ声…美しい日本語のリズムで描写される音風景。
 いわゆる美文で描写の模範になった。声に出して読むと耳に心地よい。
===== 引用おわり
 


【プロフィル】国木田独歩(くにきだ・どっぽ)

 本名・哲夫。明治4(1871)年、下総国(現千葉県)生まれ。東京専門学校(現早稲田大)を経て文学を志し、教師や新聞記者、編集者の傍ら雑誌などに寄稿。27年、「国民新聞」に日清戦争の海軍従軍記を連載。28年、佐々城信子と結婚も翌年離婚。30年、柳田国男、田山花袋らと共著詩集『抒情詩』、34年、小説集『武蔵野』(民友社)刊。その後、近事画報社で雑誌『婦人画報』などを創刊。自らも独歩社を興すが、40年破産。41年、肺結核のため36歳で死去。作品は他に「牛肉と馬鈴薯」「運命論者」「竹の木戸」など。


<引用>
国木田独歩「武蔵野」 郷愁誘う自然美の描写
【明治の50冊】(23) 産経新聞(2018/08/27)
 
(24)国木田独歩『武蔵野』 郷愁誘う自然美の描写
https://www.sankei.com/life/news/180730/lif1807300011-n1.html
写真は、このサイトからの転載。


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