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2017年6月17日土曜日

(907) 縁起の実践・空の実践 / 『維摩経』(3-1)


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(K0049) 「死の不安」(2) / 高齢期の死生観(5) <臨死期>
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   『100分で名著』 6月19() 22:25 22:50 Eテレ 放映

【本テキストの構成】

第3回 縁起の実践・空の実践

 大乗仏教の根本概念「空」
 病気の菩薩にどう向き合うか
 仏教者は世俗の中で生きるべき
 維摩の家で起こった不思議な出来事 … ここから『維摩経』第6・7章
 煩悩なくして悟りもない      … ここから『維摩経』第8章
 蓮の花は泥の中に咲く

 

【『維摩経』の構成】

第6章「不思議品」(ふしぎぼん)
 この章では、その題名のとおり、不思議な話が書かれている

第7章 「観衆生品」(かんしゅうじょうぼん)
 ここにも謎めいた話が登場してくる

第8章 「仏道品」(ぶつどうぼん)
 文殊菩薩と維摩の対話はさらに深い領域へと歩みを進めていく

 

<各論>  第3回 縁起の実践・空の実践

 大乗仏教の根本概念「空」

 何かに固着し、何かにしがみつくことで、苦悩は発生する。だから、すべての本性は「空」であるという立場に立つことで、苦悩を滅する。

 
 病気の菩薩にどう向き合うか

 「自らの経験した病に基づき推量して、相手の病に寄り添う。自分の苦悩を自覚して、相手の苦悩とシンクロさせていく」 … まるでカウンセリングだ。

 
 仏教者は世俗の中で生きるべき

 自分だけ悟りを開いて安住することなく、苦悩の世俗の中で社会や他者と関わり続けることが、菩薩にとって大切である。

 
 維摩の家で起こった不思議な出来事     … ここから『維摩経』第6・7章

 『維摩経』第6章では、がらんと空っぽの維摩の部屋で舎利弗が椅子を探しシーン、第7章では、天女が振り撒いた天の花が弟子たちの身体に張り付いて離れないシーンから始まる。

 
 煩悩なくして悟りもない     … ここから『維摩経』第8章

 大乗仏教の空の思想は、二項対立を解体していくので、「煩悩即菩提」(煩悩と悟りは別々のものではない)などと語る。いわば煩悩を融合してしまうのは。空の教えの特徴である。

 
 蓮の花は泥の中に咲く

 さまざまなコミュニティに自ら関わっている。それが「縁起の実践」。でもそれだけじゃだめで、そのコミュニティにしがみつかないことが肝要です。いくつものコミュニティと緩やかにつながり、縁があればかかわり、縁がなければ離れる。それが「空の実践」です。 … 私がしていることそのままだが、本当に今のままでいいのかな?…

 

出典:
釈徹宗、『維摩経』~とらわれない、こだわらない~、「100DEで名著」、NHKテキスト(2017/6)
図:『維摩経』の構成

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