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『100分で名著』 6月日5(月) 22:25 ~ 22:50 Eテレ
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【本テキストの構成】
第1回 仏教思想の一大転換
1 在家者が出家者に教えを説く?
2 自分の都合を小さくする3 なぜ修行には出家が必要だったのか
4 それまでの仏教と大乗仏教の違い
5 仏教の基礎を順序よく語る釈迦 … ここから『維摩経』第1章
6 維摩はどんな人物なのか … ここから『維摩経』第2章
7 方便を巧みに使って説く維摩
【『維摩経』の構成】
第1章「仏国品」(ぶっこくぼん)
釈迦が説法を行う第2章 「方便品」(ほうべんぼん)
物語の主人公である維摩が登場する
<各論> 第1回 仏教思想の一大転換
1 在家者が出家者に教えを説く?
大乗仏教になると「出家者も在家者も同じように悟りを開き成仏することもできる」と考えるようになった。『維摩経』では、在家者の立場にある維摩が、出家者たちに仏教の本質を説くという内容になっている。
2 自分の都合を小さくする
釈迦は、生きる上で避けることのできない苦悩(老病死など)の根源である「自分の都合」を小さくする道を提示した。われわれは「苦悩」にばかり目を奪われて、それを小さくしようと試みるが、うまくいかない。なぜならばそれは結果だからである。究極には、「自分の都合」を消滅させてしまえば、「苦悩」も消滅する。
3 なぜ修行には出家が必要だったのか
一般的な生活を続けていては、自分の都合から逃れることはできないと考えたからである。その後「出家者も在家者も、共に同じ仏道を歩む」という仏教思想が発達し、大乗仏教に向かった。
4 それまでの仏教と大乗仏教の違い
大乗仏教(*)の特徴:「菩薩道(*)は主要テーマの一つ」「誰もが仏陀(悟りを開いた人)になれる=この世界には無数の仏陀が存在している」「すべての固定・固着を解体し尽くす『空』の理念が発達」「(社会生活や家庭生活における)他者性・社会性」など
次回、(*)について解説する
5 仏教の基礎を順序よく語る釈迦 … ここから『維摩経』第1章
「仏の国とはどのようなものか・どうすれば仏の国を実現できるか」「六波羅蜜(*)」「四無量心(*)」「四折法(*)」「われわれの世界もすでに仏国土になっている」について語った。仏教は「智慧(*)」と「慈悲(*)」を目指す教えである。
次回、(*)について解説する
6 維摩はどんな人物なのか … ここから『維摩経』第2章
出家者ではないものの、深く仏道を極めてすでに悟りを得た人物であった。一番の特性として「さまざまな手だてをもって、人々を導く能力に長けていた」。
7 方便を巧みに使って説く維摩
ここでの「方便」は、「真実へと近づくための中間地点」である。いきなり深い話をしても理解してもらえないので、徐々に本題を理解してもらう方向へ人を導いていく。
出典:
釈徹宗、『維摩経』~とらわれない、こだわらない~、「100分DEで名著」、NHKテキスト(2017/6)図:敦煌の石窟に描かれた維摩居士
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