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2017年5月12日金曜日

(871) 子どもの家庭生活 / 子供・若者の文化と教育(2)


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 子どもの家庭生活

 子どもを育てる家庭内の行事が衰退した。父親と母親の役割が不明になっている。子どもは家庭内で居場所を見出せなくなっている。かつて家庭で行われてきた子どもを一人前にする社会化機能がなくなっている。動物社会の子育てや江戸時代、明治時代の子育てを参考にしながらこれからの家庭教育のあり方について論じる。

2-1 家庭の教育力とは何か

2-2 母は生物学的な親、父は社会学的な親

2-3 母は「包む」論理、父は「切る」論理

2-4 父親の役割は何か - チンパンジーのボスに学ぶ -

2-5 武士の父親は何をしたか

2-6 カーボーイの父親の役割

2-7 具体的な家庭教育施策の提言

 

<各論>

  男女役割意識の強い記述になっている。そのまま紹介する。

 
2-1 家庭の教育力とは何か

家庭の教育力の大切なことのベスト5

  基本的な生活習慣や生活態度を身につける(90%)
  良いことと悪いことを判断する力を身につける(83%)
  他人を思いやる心を育てる(79%)
  命やものを大切にする心を育てる(78%)
  社会生活に必要なルールやマナーを身につける(74%)


2-2 母は生物学的な親、父は社会学的な親

母親は、生まれてきた子どもは自分の子と認識できる。生まれた瞬間から血縁的にしっかりした結びつきを持つ。
父親は、生物学的な結びつきの詮索をしないまま、血縁的な結びつきに自信がないまま、認知と出生届で社会的に親であることを宣言する。

 
2-3 母は「包む」論理、父は「切る」論理

母は「包む」論理。雌鳥がヒナを羽で抱えて育てるように包み込む役割を果たす。子どもが泣いて帰ったとき、どうしたのかと訳を聞く前に抱きしめてあげる。

父は「切る」論理。子どもたちの行動について良いか悪いかの判断をする。子どもが泣いて帰ったとき、父親はまず訳を聞く。その理由によっては子どもを叱ったり、ほめたりする。

 
2-4 父親の役割は何か チンパンジーのボスに学ぶ

チンパンジーのボスの役割

   新しいメンバーに安心感を与える
   最初に安全確認する
   所有から生じる争いを少なくする
チンパンジーのボスは、秩序を保つように気を配っている。

 
2-5 武士の父親は何をしたか

武家の夕食は、3回に分けて摂っていた。一番膳が父親と長男、二番膳が祖父、祖母、母親と次男と娘たちであった。そして三番膳が使用人たちである。一番膳において父親が長男をしつけた。

 
2-6 カーボーイの父親の役割

カーボーイの家庭では、夕食時のお祈りと子どものしつけが、父親の大切な仕事である。

日米を問わず、父親は子どもの基本的なしつけに責任を持っていた。武士は「家」を守る当主の気構えを教え、カーボーイは「家族」を守る心構えを教えている。その教えは、偶然にも食事を通して行われていたのである。

 
2-7 具体的な家庭教育施策の提言

(1)  家庭内の年中行事の復活 - お宮参りはなぜ行うか

(2)  へその緒の伝達式

(3)  家庭・地域の規範づくりの方法
   「子どもの疑問・質問に真正面から答えよう」とすることが大切である。

 
引用

明石要一、「第2章 子どもの家庭生活」
竹内清・岩田弘三編(2011)、子供・若者の文化と教育、放送大学教材

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