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2016年4月12日火曜日

(475)  もう一つの翻訳不能(untranslatable)


 前回は、適切な英語がないため、読みをローマ字にしたものが「英単語」になるケースを取り上げた。逆もある。適切な日本語がない英語をどのように「日本語単語」にするか、という視点。


 身近な例をあげると、「野球」は日本になかったものをアメリカから持ち込んだ。だから、野球で使う「専門用語」は、日本語になかった。どう処理したか。

 もともとは ”baseball”。多分、”base”があって、”ball”で遊ぶからだろう。でも、この”base”は野球で独特に使うもの。”baseball”を固い頭で日本語化すると、「基盤玉」とでもなるのだろうか。「野球」というのは素晴らしい訳語だと思う。野原で野球に興じる少年たちの姿が浮かぶ。

 ショート(shortstop)を「遊撃手」と訳したのも素晴らしいと思う。「ショートストップは、戦列で時機を見て待機し、あちこちを動き回り守備を固める。これは”遊撃”のようだ」と説明したために、ショートというポジションは「遊撃手」と呼ばれるようになりました.」(http://www.softbankhawks.co.jp/stadium/girls_gate/trivia.php#02

 
 明治維新に海外の文化が大量に流れ込んだとき、日本語に無い外国語に当てはまる「日本語」をどんどん作っていったと聞く。日本の大学で日本語の教科書を使って日本語で学ぶ。私は当たり前のようにそのような教育を受けてきたが、非西欧国では、珍しいことらしい。日本人の教育レベルが高いのは、先人の作った「日本語」に負うところが多いのではないか。

  日本語→外国語は、ローマ字が使われるが、外国語→日本語は、カタカナと漢字とを使い分ける。ここでも漢字の奥深さを感じる。

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