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2020年12月16日水曜日

(2185)  国際比較 / TIMSS 2019 (3)

 

◆ 最新投稿情報

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(K1326) (火の不始末)なんだか熱いような気がするけれど(2) / 認知症の人の不可解な行動(52) <認知症>

http://kagayakiken.blogspot.com/2020/12/k1326252.html

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欧米諸国はTIMSSでは評価されないことを重視しているのだろう。だから、上位に入らなくても、問題視しない。日本では、「ゆとり教育」で順位が下がってうろたえ、「脱ゆとり教育」で順位が上がって喜んでいる

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 小学4年と中学2年を対象にした「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2019年の結果が8日、公表された。平均点は全教科で過去最高となった前回15年調査並みの水準を維持し、順位も全て5位以内となった。文部科学省が授業時間や学ぶ知識量を増やした平成20年以降の「脱ゆとり教育」の成果が裏付けられた。

 

 5位までの順位と平均を添付図に示すが、これを見るとアジアを対象にした調査ではないかと勘違いしてしまいます。シンガポール、韓国、台湾、日本は、全て5位以内に入っており、残り一枠は、香港とロシアが2つずつ入っています。しかし、30位まで見ると、様々な国が入ってきます。ヨーロッパ各国や、アメリカ、カナダ、オーストラリアなども加わっていることがわかります。

 

 これをどう見たら良いのでしょうか。欧米諸国は、アジア諸国より頭が悪いのでしょうか。アジア諸国の子供たちは勉強家で、欧米諸国の子供たちは怠け者なのでしょうか。そうとは、思えません。

 

 よくわかりませんが、欧米諸国はTIMSSでは評価されないことを重視しているのでしょう。だから、上位に入らなくても、問題視していないのではないでしょうか。

 日本では、「ゆとり教育」で順位が下がってうろたえ、「脱ゆとり教育」で順位が上がって喜んでいます。

 

===== 引用はじめ

 ゆとり教育の主な目的は、お子さんの学習意欲を高める教育環境づくりです。 学習範囲をしぼることで生徒さんの負担を減らし、自主的な学習の時間を増やしました。 週休二日制もゆとり教育の一環でしたよね。 ... プレゼンテーションやディベートなど、問題を定義し解決する思考力を養う学習のことです。

===== 引用おわり

「ゆとり教育」のメリットとデメリット。「ゆとり教育」とこれからの教育方針について | まなビタミン (kobetsu.co.jp)

 

 ここで言われている「プレゼンテーションやディベートなど、問題を定義し解決する思考力」は、TIMSSには反映されません。なので、TIMSSの成績が下がっても、所期の目的が達成されれば、何の問題もないはずです。

 

 「文部科学省が授業時間や学ぶ知識量を増やした平成20年以降の「脱ゆとり教育」の成果が裏付けられた」。「成果」という言葉から判断すると、日本の教育は、あいかわらずTIMSSの点をあげることを目的としているのでしょうか。それで良いのでしょうか。

 

 残念なのは、「ゆとり教育」の結果、「プレゼンテーションやディベートなど、問題を定義し解決する思考力」が向上したという裏付けデータがないことです。本当は、向上していなかったのではないでしょうか。「ゆとり世代」が現在、日本で世界で大活躍し、日本をリードしていく役割を果たしているなら、そうかもしれないと思うのですが、どうも、そうでもなさそうです。

 

なお、

===== 引用はじめ

 知識の活用力をみる経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)に対し、[TIMSSは]基礎知識の習熟度が調査対象となる。

===== 引用おわり

 

<出典>

産経新聞(2020/12/9)

https://www.sankei.com/life/news/201208/lif2012080047-n1.html

 

30位までのリストは、

https://www.nier.go.jp/timss/2019/result.pdf




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