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2020年12月12日土曜日

(2180)  ブルデュー『ディスタンクシオン』(2-2) / 100分de名著

 

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「社会的位置空間と生活様式空間」:音楽でいうと、縦軸には売り上げや観客動員数、横軸には、左に純粋にその作品が評価されるクラシック、右に莫大な売り上げを誇るポップスやアイドルのスターがいるでしょう

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(添付図の説明)

 

第2回  14日放送/ 16日再放送

  タイトル: 趣味という闘争

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

 

 

【テキストの項目】

(1)  「界」とは何か

(2)   私たちの闘争

(3)   何よりもまず嫌悪なのだ

(4)   象徴闘争のアリーナとしての界

 

(5)   縦軸と横軸の構造

(6)   関係性のなかで生まれる意味

(7)   実存を賭けた闘争

 

(8)   界における相場感覚

(9)   ハビトゥスからのズレがハビトゥスをつくる?

(10)異なる界の異なるポジション

 

【展開】

(1)  「界」とは何か

(2)   私たちの闘争

(3)   何よりもまず嫌悪なのだ

(4)   象徴闘争のアリーナとしての界

 以上は、既に書きました。

 

(5)   縦軸と横軸の構造

 ブルデューが想定する、もっともマクロな社会空間(階級)全体の構造を表したのが添付の図です。これは『ディスタンクシオン』に載っている図を簡略化したものですが、縦軸が資本量(社会階層)、横軸が資本構造(資本の種類、たとえば文化資本か経済資本かの違い)を表します。「文化資本」については第3回で詳しく取り上げますが、当座の理解のために簡単に述べておくと、文化に関わる知識や経験、学歴や教養、家庭のなかで前の世代から受け継がれた身体技法や態度といったものです。経済資本は文字通り、お金や財産の量です。

 横軸を置いて、界の構造を横に広げました。これにより、闘争の戦略の多様性、参加メンバーのハビトゥスの多様性が表現されます。

 

(6)   関係性のなかで生まれる意味

 ブルデューの根底には、すべてのものは他のものとの関係性の中で意味を持つという構造主義的な発想があります。

 すべての趣味は、高級な/安っぽい、優しい/激しい、内省的/外交的、精神的/肉体的などの二項対立のなかに置かれ、他の趣味との関係のなかではじめて意味を持つようになります。

 クラシックを聴くということは、「クラシックを聴くようなやつ」になることであり、レゲエを聴くということは、「レゲエを聴くような人」になるということなのです。

 

(7)   実存を賭けた闘争

 界という闘争モデルのいちばん重要なポイントは、私たちが(もっとも広い意味での)利得を追求するという動機を持っているという点です。人びとは界でのポジショニングに実存を賭けているのです。

 現代アートというものは他のジャンルから独立したものではなく、たとえばフランス印象派絵画のような、もっとも値段も高くて社会的権威付けもされているジャンルヘの象徴闘争として構築されている。だから現代アートは、わかりにくいのです。

 いずれにしても、文化的表現というものは、既存の枠組みや方法論を根底から疑い、それとは異なるアプローチをとることで、界に自身をマッピングし、自らの地位をすこしでも押し上げるための象徴闘争をしているわけです。

 

 以降は、後日書きます。

(8)   界における相場感覚

(9)   ハビトゥスからのズレがハビトゥスをつくる?

(10)異なる界の異なるポジション

 

<出典>

岸政彦(2020/12)、ブルデュー『ディスタンクシオン』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

 


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