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(K0398) 催し物情報(21) <催し物紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/06/k0398-21.html
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第1回 4日(月)放送/ 6日(水)再放送
タイトル: 不条理の哲学
【第1回の目次】
(1) 貧困と戦争のなかで
(2) 不条理の哲学――『異邦人』から『ペスト』へ(3) 天災と人間――アンチ・ヒューマニズム
(4) 官僚的な法と行政――追放と監禁
(5) ペスト第一段階の人々――幸福と理念の対立
【展開】 今回の投稿は、(1)、(2)、(3)前半
(1) 貧困と戦争のなかで
説明略。添付「カミュ略年譜」「カミュ関連地図」参照。
(2) 不条理の哲学――『異邦人』から『ペスト』へ
『異邦人』:不条理の第一段階
===== 引用はじめ… 世界というのはまぎれもなく不条理なもので、戦争もあり、天災もあり、ペストのような疫病もあり、決定的な災厄として人間に襲いかかってきます。それは不条理、つまり、理不尽で、ばかげている。そして、そんな世界の不条理性に気づいた人間が、人間も不条理であってかまわないのではないか、とその不条理をみずから実践してしまうことがある。『異邦人』のムルソーの場合のように、母親が死んだって悲しまなくていいじゃないか、太陽のせいで人を殺してもいいじゃないか、と人間の生き方に不条理を拡大していってしまうのです。これがおそらく、人間が不条理に対応するときの第一段階です。自殺やニヒリズムに陥る一歩手前で、どうにか踏みとどまっているという状況です。
===== 引用おわり
『ペスト』:不条理の第二段階
===== 引用はじめ
そんな不条理の第一段階のあとに、そういう自己をいったん客観視して、世界の不条理に気づいた人間の不条理性にさらに気づいてしまった人間が、ではその不条理をどう乗り越えることができるのか、と考える方向が生まれてきます。これが『ペスト』以降の第二段階です。そこでは世界の不条理と人間の不条理を分けて考え、そのように不条理を二重に意識した人間の生き方や行動の仕方を探求するという姿勢が打ち出されてきます。
===== 引用おわり
(3) 天災と人間――アンチ・ヒューマニズム (前半)
登場人物たちが順番に描かれます。
===== 引用はじめ「4月16日の朝、医師ベルナール・リウーは、診察室から出て、階段口の真ん中で一匹の死んだネズミにつまずいた」。リウーはそのことを門番のミシュル老人に注意します。その夕方、今度はネズミがアパートの廊下に現れ、きりきり舞いをして、口から血を吐き死んでいくのをリウーは見ます。
翌日、リウーは高地へ転地療養に旅立つ病気の妻を駅で見送り、そこで予審判事のオトン氏が小さな男の子を連れているのに出会い、挨拶を交わします。さらにその日の午後、医師リウーのもとを、パリから来た若い新聞記者ランベールが訪問し、町の衛生状態について取材します。
次に登場するのがタル―という青年で、アパートの階段で会ったリウーとネズミの出現について話をします。やがて町中のいたるところで、ネズミの大量死という「奇妙な事件」が続々と発生し、人々は不安になりはじめます。
リウーは、司祭のパヌーネ神父に体を支えられて歩いている門番ミシュル老人に会います。老人は具合が悪そうで、ぜいぜい息を切らしています。それからリウーは、市役所に勤める初老の下級役人グランに呼び出され、アパートの自室で首吊り自殺をしようとして隣人グランに助けらけたコタールという男の手当てをします。あとでしだいにわかってくるのですが、このコタールという男は小悪党で、過去の犯罪が露見したことで、逮捕されることに怯えている人物です。
===== 引用おわりこのようにして、物語が始まる。
<出典>
中条省平(2018/6)、アルベール・カミュ『ペスト』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
添付図は、この本からの転載
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