画面の説明

このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2019年1月5日土曜日

(1474)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(1-2) / 100分de名著

 
      最新投稿情報
=====
(K0615)  地域包括ケアシステムと寺院システム <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0615.html
=====
 


第1回  7日放送/ 9日再放送

  タイトル: 一筋縄ではいかない物語
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 
【テキストの項目】

(1)  “ジャズ・エイジの申し子”ミッチェル
(2)  モダニズムに背を向けて
(3)  新たなアメリカ南部像の創出
(4)  失恋からスタートする物語
(5)  冒頭一行目でわかる映画との違い
(6)  <タラ>邸の魅力は壮麗さではなく野趣

(7)  「似た者同士」というキーワド
(8)  つながる二人、つながらない二人
(9)  「萌え」文学の源泉
(10)「ミセス・チャールズ・ハミルトンに150ドル。金貨で」
(11)レットがメラニーの目の奥に見たものとは?
(12)文体は最先端、キャラクターは「リユース」
 


【展開】

出だしの部分は、既に書きました。

(4)  失恋からスタートする物語

 スカーレットを最も惹きつけるアシュリが、その従妹のメラニーと婚約しており、翌日のパーティでそのことが発表されるとスカーレットは聞きました。
 彼も自分を愛しているはず、という確信のもと、スカーレットはアシュリに愛の告白をしますが、驚いたことに思いは通じません。 … 激昂したスカーレットに平手打ちされたアシュリはその場を去ります。スカーレットが怒りに任せて陶器を壁に投げつけると、ソファから一人の男が起き上がります。スキャンダラスな「社交界の除け者」レットでした。 …
 ここで早くも、主要人物4人が登場しました。
 長編になると、先ず物語を書き始め、書きながら筋書きを作っていくケースもありますが、著者ミッチェルは最後の場面が最初に決まり、遡って物語を書いたそうです。しかも、途中では誰にも原稿を見せず、何回も書き換えながら物語を完成させた。だから、こういうことができるのでしょう。
 

(8)  「似た者同士」というキーワド

 「似た者同士」という言葉は、『風と共に去りぬ』全編を通じて何度も出てくるキーワーズです。
 実は、スカーレット、アシュリ、メラニー、そしてレットという主役4人には、それぞれが似た者同士であり、互いの分身であるような関係になっています。
 この「似た者同士」の頻出は、当時のアメリカ南部社会が同質社会で、同質傾向を強く好む社会であったことを表しているのでしょう。同質であるがゆえの結束と調和。その一方で、多様性を欠いて排他的であるがゆえのもろさもあったのが南部でした。ミッチェルはこの南部の特質についての批判を、スカーレットを通して表明しています(映画にはそのような批判は含まれていません)。
 

(9)  つながる二人、つながらない二人

 激情家のスカーレットとは対照的に、メラニーはつねに愛他精神にあふれ、どんなにだめな人間にも美質を見出します。同時に、人が一番触れてほしくない部分を的確に見抜く人でもあります。映画では、控えめな脇役に描かれているメラニーですが、ただの聖女ではありません。「本当のヒロインはメラニー」とまでミッチェルは言っています。スカーレットとメラニーの似た部分は、後の場面ででてきます。
 一方、スカーレットとアシュリのラインだけは、水と油のごとく、どうしても溶け合わない。この亀裂と、(亀裂などないと信じている)スカーレットの勘違いが、四人の物語の駆動力になっています。
 

以下は、略

(10)「萌え」文学の源泉
(11)「ミセス・チャールズ・ハミルトンに150ドル。金貨で」
(12)レットがメラニーの目の奥に見たものとは?
(13)文体は最先端、キャラクターは「リユース」
 


<出典>
鴻巣友季子(2019/1)、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


0 件のコメント:

コメントを投稿