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2018年6月13日水曜日

(1268)  米朝首脳会談

 
      最新投稿情報
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(K0409)  一億総活躍社会の構築に向けた提言案 <高齢期の家庭経済>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/06/k0409.html
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 「米朝首脳会談が終わった」
 

 感想を述べる(ニュースをあまり見ていないので、的外れなところがあるかもしれません。ご容赦下さい)。
 
(1) 成功か失敗か

(2) 共同声明署名の意味

(3) 核問題はどうなるか

(4) 拉致問題はどうなるか

(5) 経済支援はどうなるか。拉致問題との関係

(6) 対話の窓口はできた。もう一つの対話の窓口を作らねばならない
 
 

【展開】===== はじめ
 
(1) 成功か失敗か

===== 引用はじめ
 トランプ米大統領は「歴史的会談のための会談」という見せ物で国際的関心を集めたが、米国が得たものは少ない。外交交渉としては驚くほど稚拙で、交渉の達人ではなく、興行の達人だったということだ。
===== 引用おわり
宮家邦彦、産経新聞(2018/01/13)
https://www.sankei.com/world/news/180613/wor1806130017-n1.html
 
 トランプ大統領は、交渉には失敗したが、興行には成功した。
そして、金委員長は、交渉にも興行にも成功した。
 

(2) 共同声明署名の意味

 署名しないと言っていたのに、署名した。
 そもそも、トランプ大統領も金委員長も、署名したからといって忠実に守ろうとしないだろう。両者とも、自分が困ったら「相手が先に破った」と言って、簡単に反古にするだろう。だから、署名したからといって絶対的に拘束されるものではない。書かないより書いた方が拘束力は強くなるが、決定的なものではないだろう。ただ、トランプ大統領が武力行使しにくくなったのは事実で、金委員長の大きな成果だった。
 署名しておいた方が成果はあがったように見える。それは、トランプ大統領と金委員長の共通の利益である。極端に言うと、それだけのことではないか。内容は、報じられている通り、特にアメリカにとって貧弱だ。
 

(3) 核問題はどうなるか

 CVID(完全かつ検証可能で不可欠的な非核化)の文言が声明文に無いと言われているが、それを入れようとすると、そもそも会談が成立しなかっただろう。「(北朝鮮ではなく)朝鮮半島の完全な非核化」は、実際は、北朝鮮は核を放棄しないと言っているのに等しいと思う。
 間違いは交渉開始が早すぎた、のだと思う。
 

(4) 拉致問題はどうなるか

 特に裏付けはないが、現在拉致されて戻れない人々は、北朝鮮の中枢に近づきすぎていたのではないか? (本人から近づいたわけではないだろう)
 そのため、彼らを日本に帰すと、重大な機密漏洩が起こってしまう。だから帰すことはできないのではないか(既に日本に帰還できた人は、中枢にいなかったのではないか)。もしもそうなら、北朝鮮にとって拉致した人を戻す選択肢はない。
 だからといって、諦めてしまってはいけない。解放に向けて、粘り強く交渉しなければならない。
 

(5) 経済支援はどうなるか。拉致問題との関係

 これからの経済支援は、韓国と日本がする、米国は金を出さない、とトランプ大統領は言った。ヒドイ話だが、これが唯一のチャンスではないだろうか。
 日本は戦争ができない。これでは取引材料が無いに等しい。攻めるぞと脅かし、時々は本当に攻めるから、交渉ができる。攻めるぞと言えば、攻めないことが取引材料になる。これがあるから、米国は米朝首脳会談ができた。これがないから、日本は日朝首脳会談ができない。政治や外交は、キレイごとではない。
 
 日本の手立ては、二つしかないのではないか。米国を頼ることと、経済力を使うこと。
 
 身の安全が保障されれば、金委員長が次に欲しいのが経済支援であり、そこであらためて、経済支援を取引材料として拉致問題に取り組む余地がでてくる。
 ここで米国にジャブジャブ支援されてしまったら、日本の経済支援は、取引材料でなくなってしまう。経済観念の強い(ケチな)トランプ大統領は、アメリカの税金をここで使わないだろうし、外貨準備の少ない北朝鮮にアメリカ産業界が殺到するとは思えない。
 問題は、韓国。韓国はジャブジャブとは支援できないだろうが支援しはじめるだろう。すると、相対的に日本の経済支援の効果が薄れ、拉致問題解決が遠のいてしまう。中国もロシアも、北朝鮮への影響力を高めるために支援し始めるだろう。
 そうなる前に、日朝首脳会談が実現し、前進してほしい。拉致問題解決の最後のチャンスではないだろうか。
 

(6) 対話の窓口はできた。もう一つの対話の窓口を作らねばならない

 物事を解決するには、戦争か対話しかない。対話するには、対話を始めなければならない。
 ともかくもアメリカと北朝鮮の対話が始まった。シンゾウはトランプ大統領に、拉致問題を解決してくださいとは頼んでいないだろう。協力を頼んだのだろう。頼んだのは、日朝首脳会議が開催できるようにしてほしいという事だろう。
 ただ、金委員長は、日朝で対話すること自体に経済的見返りを要求するのではないか。対話が実現しても早期に解決しては更なる経済的見返りをもらえないので、ダラダラ先延ばしするだろう。でも、ここを通らないと拉致問題解決への道筋を見出しがたい。難しい課題である。
 
【展開】===== おわり
 


 「米朝首脳会談が終わった」と考えると虚しいばかりである。「米朝首脳会談が始まった」と振り返ったとき言えるようになってほしいものである。
 
 トランプ大統領を怒らせると、何をするかわからない。そこに小さな希望を見出すのは悲しいことだが、現実はそこにしか希望を見出せないのではないか。
 


添付は、産経新聞(2016/06/13)から作成


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