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2020年12月29日火曜日

(2198)  カール・マルクス『資本論』(0) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

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(K1339)  高齢者運転相談ダイヤルに1万2千件 <高齢期の安全・安心>

http://kagayakiken.blogspot.com/2020/12/k1339.html

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マルクス『資本論』は「変な本」と思っていたが、解説を読んでみたら真っ当だった。共産主義や共産国は資本論から始まったのだが、行きついたのは資本論の目指していたのとは違った。なぜ「変なこと」が起こった?

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100de名著」 カール・マルクス『資本論』が、14()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

講師は、斎藤幸平(大阪市立大学経済学部准教授)

 

 

<全4回のシリーズ>  いずれも1

【はじめに】  人新世の危機に甦るマルクス

 

第1回  4日放送/ 6日再放送

  タイトル: 「商品」に振り回される私たち

 マルクスの理論的土台となる「物質代謝論」を軸に、自然との関係で人間の「労働」について分析し、モノに振り回され、大事な物を失っていく私たちの生活について考察します。

 

第2回  11日放送/ 13日再放送

  タイトル: なぜ過労死はなくならないのか

 マルクスが『資本論』で展開している「剰余価値論」をもとに、資本主義のもとで長時間労働や過労死がなくならない理由をみていきます。

 

第3回  18日放送/ 20日再放送

  タイトル: イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を産む!?

 イノベーションや生産性の向上が労働者を貧しくし、「クソどうでもいい仕事(ブルシツト・ジョブ)」が増えるメカニズムをみていきます。

 

第4回  25日放送/ 27日再放送

  タイトル: <コモン>の再生 - 晩期マルクスのエコロジーとコミュニズム

 晩年の自然科学研究や共同体研究の足跡を示す新資料も踏まえつつ、資本主義が自然破壊を止められない理由と、ポスト資本主義社会の可能性を展望します。

 

【はじめに】  人新世の危機に甦るマルクス

 今回はドイツの経済思想家、カール・マルクス(18181883)の主著『資本論』を読み解いていきます。 ‥‥ 当時、人々の暮らしを激変させていた「資本主義」のメカニズムを徹底的に解析し、その矛盾や限界を明らかにした名著です。

 

 マルクス主義を謳ったソ連が崩壊して以降、世界中で左派は弱体化していきました。 … 資本主義を批判する者がいなくなり、グローバル化が一気に進み、「新自由主義」という名の市場原理主義が世界を席巻、世界全体のあり方を資本主義が大きく変えていったのです。人類の経済活動が地球のあり方を根本的に変えてしまったという事実を強調するために、「人新世(ヒトシンセイ)」という地質学の概念が、様々な分野で使われるようになっているほどです。

 世界中の豊かさをもたらすことを約束していたはずの資本主義。ところが、「人新世」は、むしろ社会の繁栄を脅かすような数多くの危機によって特徴づけられています。金融危機、経済の長期停滞、貧困やブラック企業。そして、新型コロナウイルスのパンデミックと気候変動の影響による異常気象が、私たちの文明的生活を脅かすようになっています。

 

 だからこそ、『資本論』が再び必要なのです。顕在化してきた危機の根本原因は資本主義であり、だからこそ問題解決のためには、資本主義から脱却する必要がある、 … その一歩に向けた想像力と創造力を与えてくれるのが、マルクスなのです。だから今、世界では、改めて『資本論』が論じられるようになっています。

 

 マルクスが構想した「コミュニズム」とは、ソ連や中国のような中央集権的な共産主義とどう違うのでしょうか。それがわかると、「人新世」の危機が文明を脅かし、「資本主義社会の終焉」が謳われる今こそ、『資本論』が読むべき名著だと得心していただけると思います。

 

<出典>

斎藤幸平(2021/1)、カール・マルクス『資本論』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



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