また、理屈っぽい話に戻ります。
Aさんは自分の考えをしっかりもっていて、自己主張の強い方です。
会議では、はっきり自分の考えを主張し、
反対する人には、時として攻撃的な発言をします。
「声が大きい人が勝つ」を実践しているような方で、
会議では、いつも大きな声でしゃべり続け、
(少数派の時も)自分の意見を強引に通します。
そんなAさんが急に変わりました。
敵対していたと思われる人にも穏やかに話しかけ、
他者の意見への協力的な発言もみられるようになりました。
どうして、そんなことが起こったのでしょうか。
Aさんの所属する団体Bで最近、
長であったCさんが、退任されました。
私は、それがきっかけだったのではないかと、
思いました。
以下は、私の仮説で、正しいかどうかわかりません。
AさんはCさんをとても尊敬していて、
元々考えが近いのでしょう、
主張することが似ています。
当然、CさんはAさんをいつも支持していました。
そのCさんがいなくなったので、
Aさんが主張しても、強力に賛成し、
最後まで応援してくれる人がいなくなりました。
そこで、
大声で主張すると自分が孤立することを
賢いAさんは悟ったのではないでしょうか。
Aさんは自分の考え方をはっきりもっていて、
自己主張が強い性格であり、
それに基づいて行動していた
「自己発行動」(造語)という考え方では、
Aさんの行動の変化を説明できません。
一方、Aさんには強力な庇護者Cさんがいる
その状況に応じて行動していた
「状況発行動」(造語)という考え方なら、
Aさんの行動の変化を説明できます。
ある行動が
「自己発行動」なのか「状況発行動」なのか、
見分けがつきません。
状況の変化が起こって、初めて分かります。
「自己発行動」だと決めつけず、
「状況発行動」かもしれないという
含みをもって人を見るように心がけると、
判断を間違えるのを減らすことができる
のではないでしょうか。
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