1. 読書サロン(1)
多くの「読書会」では、指定された本を皆が読み、感想を交換します。この「読書サロン」では、参加者銘々がお気に入りの本を紹介します。その点で「ビブリオバトル」は「読書サロン」と似ているが、「ビブリオバトル」では優劣を競う一方、「読書サロン」では競いません。
2. 本と「私」との関係
2.1. 一般的なケース
本は「私」の外にあり、そこから知識を得ます。「私」の知識は増えるが、「私」は本質的には変わりません。
2.2. 私の場合
本を私の領域に招き入れ、そこから知恵を得ます。そのため、私の考えや行動が本に影響され、変わることがあります。
そうしたいから、そうしているが、そうせざるを得ない事情もあります。
3. 本と関心との関係
3.1. 一般的なケース
「私」に関心のある本を選ぶので、「私」の関心とマッチングしています。
3.2. 私の場合
「100分de名著」を紹介しているので、私の関心とは無関係に本が指定されることになり、私の関心とマッチングするとは限りません。私に関心のない本は読み続けられません。そこで「本の中に私の関心のあるものを発見し、本を私の中に取り込んで読む」という読み方をします。
4. 関心の拡張
4.1. 一般的なケース
「私」に関心のある本を選んでいるため、自ら自覚している(顕在的)関心に留まります。
4.2. 私の場合
私に関心のない本を読み続けねばならないとき、自ら自覚していない(潜在的)関心に領域が拡張されます。
5. 読書サロン(2)
以下は、読書サロン参加者全員に当てはまるでしょう。
5.1. 他の人が好きな本の紹介を聞いて
「私が本屋に行っても取り上げないような本を紹介してもらえるのが読書サロンの魅力だ」というのが、多くの参加者の共通した感想です。このようにして関心が拡がります。
5.2. 私の好きな本を紹介して
ただ本を読むだけではなく、他の人に紹介しようとすると、読んだ本を自分の頭の中で再構築せねばならず、読みが深くなります。それだけでも意味があるが、さらに他の人の感想を聞くと、自分では気づかなかったことに気づくこともあります。このようにして関心が拡がります。
6. 成長
関心が拡がることにより、自分が成長していると感じています。