~ 『100分で名著』 4月3日(月) 22:25 – 22:50 Eテレ 放映 ~
※ すみません。放送日を間違えていたので訂正しました。「4月3日(月)放映」が正しい。なお、4月5日 05:30-05:55,12:00-12:25 に再放送があります。
(1)
人生論ノート
(2)
理想
<各論>
(1)
人生論ノート
三木が『人生論ノート』で取り上げたテーマを掲載順に追うと、次のようになる
1938年 「死」「幸福」「懐疑」
1939年 「習慣」「虚栄」「名誉心」「怒」「人間の条件」
1940年 「孤独」「嫉妬」「成功」「瞑想」
1941年 「噂」「利己主義」「健康」「秩序」「感傷」「仮説」「偽善」「娯楽」「希望」
なお、創元社からの単行本では「仮説」の後ろに「旅」「個性」の2題と後記が加えられていた。戦後に編まれた新潮文庫版には、「偽善」「娯楽」「希望」の3題が追加されていた。
「人生とは何か」「人はいかに生きるべきか」考えるとき、人生の中で誰もが一度は突き当たる問題が並んでいる。
(2)
理想
===== 引用 はじめ ( P.19 )
世間には「夢のようなことばかり言っていないで」と諭す人もいますが、夢は人生を拓く原動力です。「それは理想論だよ」と鼻白む人もありますが、理想には現実を変える力があります。現状を観察・分析し、それを追認するだけの哲学が少なくありませんが、理想を掲げることで哲学は初めて現実を変える力を持つのです。三木は『人生論ノート』で、そうした理想を私たちに示してくれています。
===== 引用 おわり
私自身は、理想を追うことが多く、その時には周囲と歩調が合わなくなる。
思うに、「60%の合格点」で(が)よいと考えている人にとっては、理想は要らないし、むしろ邪魔だろう。なぜなら。理想は、負担を増やし、時間を取り、効率を下げるから。
「ギリギリの合格点より更に質を高めたい」「今の枠組みにこだわらず、よりよいものを目指したい」と志すなら、どうしても理想が必要になる。ここを追い求めるから、私は理想にこだわり、効率が悪くなり、余分に時間を取られ、余分な労力を費やす。それでもかまわないと本人は思っている。そういう生き方もあってよいだろう。
引用:
岸見一郎(2017/4)、三木清『人生論ノート』、100分de名著、NHKテキスト
写真:三木清