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2025年5月25日日曜日

(2650) 自民党は、米の販売価格を値上げしようとしていたのだろうか

 独占禁止法というのがある。「この独占禁止法の目的は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。市場メカニズムが正しく機能していれば,事業者は,自らの創意工夫によって,より安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばそうとしますし,消費者は,ニーズに合った商品を選択することができ,事業者間の競争によって,消費者の利益が確保されることになります」(公正取引委員会HP)

 

 現行は大手集荷業者を対象とした一般競争入札で、備蓄米が放出されており、全国農業協同組合(JA全農)が9割超を落札していた。まさに、「独禁法違反状態」にある。

 JA全農が一般競争入札で高値をつけたら、他の業者は手出しできない。流通の9割を支配すれば、価格も自在に設定できる。高値で買っても、それ以上の高値で売れ、中間マージンも自由に設定でききる。

 経営に苦しむ米農家から高値で買うなら、それ自体は悪くはない。しかし、米農家から安値で買い取った米(備蓄米)を高値でJA全農に売り、国が儲けて、何をしようとしているのだろうか。米価格の上昇で、米離れが懸念されている。

 

 族議員(特定の政策分野に精通して関連する省庁の政策決定に強い影響力を及ぼし、関連業界の利益を擁護してそれらの代弁者の役割も果たす国会議員の俗称)(Wikipedia)がいて、農林族(族議員の一。農作物の生産や輸入量調整など、農業政策に対し影響力をもつ。農林水産省とのつながりが深い)もいるそうだが、彼ら専門家は何をしているのだろうか。

 彼らは「政策分野に精通」することにより「関連業界の利益を擁護し」、その見返りを票として返してもらう人々だ、と考えると合点がいく。彼らは、日本の農業をよくしていくことに関心がないのだろ。

 

 一方、野党は何をしているのだろうか。「独禁法違反状態」を何故、放置しているのだろうか。自民党離れしているJA全農の票の「おこぼれ」をいただくためには、JA全農の利益に反することを言いたくないのかもしれない。考えすぎだろうか。

 

 政府は備蓄米を小売業者に直接売り渡すことも検討しているが、「配送ルート」を確保できるのかは懸念材料だ。また、多くの小売業者には精米設備がなく、玄米のまま仕入れた備蓄米の取り扱いも困難だ(産経新聞 2025/05/24)。随意契約には、公平性の問題もつきまとう。

 

 野党は江藤拓農林水産大臣を攻撃することに熱心で、それも悪くはないが、もっともっと優先順位の高い課題があるだろう。ここで良い提案をすれば評価も高まるチャンスだと思うのだが、日本の農業を支えるための、知恵も関心も能力もないのだろうか。私の「誤解」をあらためるような行動をとってほしい。

 

 小泉農林水産相は「随意契約」をさかんに言っているが、諸問題の解決とセットにならないと、解決には向かわない。就任早々には難しいかもしれないが、同農林部会長も務めていたそうだ。配送ルートについては、検討しているようだ。困難に立ち向かってほしい。

 

 米不足、米価高騰は悪いことだが、これを機に日本の農業政策が良い方向に向かえば、「禍転じて福となす」ともなりえる。

 

 添付図は、日本農業新聞「備蓄米放出 随意契約でどう変わる?」より。

https://www.agrinews.co.jp/news/index/307967 



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