赤沢氏、一人でよいのだろうか、と疑問に思っている。05/02の写真を見ると、アメリカ側が3人、日本側が1人だった。アメリカで開催しているので、たまたまだったのだろうか。
交渉範囲は、多面にわたる。赤沢「経済再生担当大臣」は多分、適切な肩書なのだろうが、カバーしきれないのではないか。問題は、それだけではない。
「日本の立場」といっても、一つにすっきりまとまっているわけではない。国内でも利害関係があり、複雑だ。それを一人で伝えるには、無理がある。二人おれば二つの立場から、三人おれば三つの立場から発言できる。
また、交渉過程で、言葉尻をとらえて突っ込まれた時、当の本人では反論しにくく、窮地に追い込まれることもある。その時、もう一人いたら、助け舟を出せる。
複数対一人では、複数人が絶対有利である。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。
今回の交渉団代表は、赤沢氏が自ら手を挙げたと聞く。政治家としては、一大カケだと思う。大成功だと将来、総理大臣になれるかも知れないが、失敗と見なされたら、政治生命が絶たれる恐れもある。
私の想像だが、勇気をもって手を挙げたのは赤沢氏一人だったので、一人になったのではないか。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉では、複数の日本政治家が動いていた。今回の体制は、いかにも貧弱で、なさけない。赤沢氏の資質を言っているのではなく、体制を言っている。
一方、複数の複雑な代表団になると、互いに手柄争い、責任のなすり合いに頭が行ってしまい、日本国を代表してアメリカに対して国益を主張できなくなるのではないか。今の政治議論を聞いていると、与党・野党にかかわらず、そのような雰囲気で動いている。理念がない。もしそうなら、もう、国家の体をなしていない。
こう考えると、かなり絶望的な気分になってきた。
時々ニュースを見るだけで、綿密にフォローしていないからかも知れないが、一人では危ないという論調は聞こえてこない。
因みに、日本側として大勢写っている04/17の写真もあるが、あれは全部、部下だ。代表は一人としても、それに意見を言えるような人が加わっているのが必要だが、それが、いない。
写真は、以下より
https://times.abema.tv/articles/-/10176420?page=1
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1861942