5. さて、これでアメリカのメーカーが復活できるかどうか。短期的にみると、輸入車が激減し、アメリカ国内メーカーの生産量を増やすとしても、数年かかります。その間極端な品薄状態に陥ります。必然的に値が上がります。アメリカ国内にすごいインフレが起こるので、関税を乗せても売れます。そしてその関税は全部アメリカの輸入業者が払ってくれます。だから、さらに値が上がり、止めようのないインフレになります。困るのはアメリカ国民です。海外メーカーは、高く買ってくれるなら関税がかかっても、困りません
6. 中期的にみて、海外メーカーがアメリカに投資して、生産拠点を移すかどうか。移さないと思います。先ず、アメリカで生産するにしても、輸入する部品には関税がかかるので、安くはできません。生産量が増えると被雇用者が増える(→雇用需要が高まる)ので、人手不足になり給料が上がります(人件費があがります)。工場を新設しようとすると、大きな投資をする割には、回収が難しいでしょう。しかも、トランプ大統領の現在の施策がいつまで続くか分かりません。この施策が変われば、投資を回収できません。投資は、リスキーです
7. 長期的に見て、国に守られた産業は衰退します。日本の自動車メーカーに国際競争力があるのは、日本の国に守られなかったからです。国に守られてきた、日本の重電業、建設業に国際競争力はありません。アメリカ輸出の比率が高かったアメリカ以外のメーカーは、苦境に陥り、体力のある会社だけが生き残り、そうでない会社は耐え切れず倒産します。あるいは、強力なメーカーに吸収合併され、アメリカ以外では、少数のメーカーに集約されていき、ますます強力になり、国に保護されて弱体化したアメリカのメーカーは太刀打ちできなくなります。それでも、競争力のないアメリカメーカーが、関税に守られ、生き延びます。アメリカの製造業は、どんどん衰退していくでしょう
※写真はイメージ。Yahoo!ニュースからの写真だが、記事内容を引用しているわけではない
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