「米政府はイスラエル軍が16日に発表したパレスチナ自治区ガザ最大のガザ市での地上侵攻を事実上容認した。」(日本経済新聞) … とんでもないことが起こっています。
これまで外交における日本の主張は、
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法の支配
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力による現状変更を容認しない
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価値観を共有する国が協力する
でしたが、トランプ大統領が、全てを破壊しようとしています。これが良いか悪いかを議論しても、トランプ大統領を翻意させるのは無理でしょう。これを前提として、我が国は今後どのような方針で、国際社会の中で生き延びていくのか、国の存亡にかかわることを今の政治家は取り上げません。
自民党の内輪もめで政治を停滞させてはいけないというのはその通りだが、停滞させずに何をするかというと、ガソリン税。もっと緊急で大切な議論があるでしょう。
戦争には、二つあると考えています。仕掛ける戦争と、仕掛けられる戦争です。日本は、どう考えても今後、仕掛ける戦争なんてできません。今の自衛隊では能力不足でできないし、能力を高めたとしても、中国に太刀打ちできません。それなのに戦争というと、日本に「仕掛ける戦争」をさせないことばかりに向かい(無意味です)、その結果「仕掛けられる戦争」への対処が絶望的な状態になっています(深刻な反作用です)。
いま世界を見ると、「仕掛けられた戦争」で惨状になっています。「法の支配」「力による現状変更を容認しない」「価値観を共有する国が協力する」をアメリカが放棄すると、日本が「仕掛けられる戦争」に巻き込まれる危険性がますます高まります。
ウクライナは、戦略核を放棄し、ロシアと条約を結び、その結果クリミアを奪い取られ、ロシア軍が侵攻して国内の東部・南部は破壊しつくされています。領土の割譲を認めることは、「軍事力がある国は、他国に攻め込んで占領すれば、それを法的に認める」ことを意味します。トランプ大統領は、戦争を止めさせると言いながら、戦争の火種をまいています。
一方、戦争を遺棄し支配を許すことは、日本がチベット、ウルグアイ、内モンゴルになることを意味します。日本の富は全て中国が持ち去り、日本人は奴隷状態になります。奴隷とまでいかなくても、少なくとも自由意志は、失います。日本人全体(中国に内通する者は除く)が貧困にあえぎ、中国人の為に単純労働を強いられます。中国が必要とする技術は、すべて持ち去られるので、単純労働で生活を支えるしかありません。チベット、ウルグアイ、内モンゴルの現状を直視するなら、容易に想定できる情景です。残念ながら「見たくないものは見ない。あってほしくないものは存在しないことにしておこう」という人には、見えません。
戦争絶対反対という人は、何故、ロシア、イスラエル、アメリカを非難しないのでしょうか。また、南シナ海で島を奪い取り武装化し、尖閣諸島で戦争をしかけようとしたり(漁船に扮して尖閣諸島を盗ろうと着々と準備しています)、軍拡を進めて台湾を占領すると言ってはばからない中国に異議を申し立てないのでしょうか。核武装、ミサイル開発を進め、戦争を盾に他国を脅かし続けている北朝鮮を諫めないのでしょうか。戦争を起こすのは彼らで、日本ではありません。核軍縮を押し続ければ、世界は平和になるのでしょうか。戦争のない世界をつくるために、どのような戦略があるのでしょうか。戦争を無くすために効果的なことは、何もしていないように見えます。
戦争絶対反対と言わなくても、日本は仕掛ける戦争はしないし、できません。彼らは、日本を弱体化し、他国の侵略を招くことを目的としているのでしょうか(気づかぬまま他国の手先になっている?)。それとも、日本が大嫌いで、蔑みたいのでしょうか。
与党でも野党でもいい、「法の支配」「力による現状変更を容認しない」「価値観を共有する国が協力する」が崩れても、その状況でも日本を守る為にはどうすればよいか、真剣に考えて欲しい。